約 2,053,340 件
https://w.atwiki.jp/touhoupuppetshow2/pages/215.html
メディスン No.016 タイプ:しぜん/しょうき 特性:ポイズンボディ(直接攻撃を受けたとき、30%の確率で相手をどく状態にする) ようりょくそ(天気が晴れ状態のとき、すばやさが2倍になる) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 100 60 95 90 95 50 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) ほのお/こおり/ことわり/ひこう いまひとつ(1/2) みず/かぜ/しんとう/こころ/けもの いまひとつ(1/4) しぜん こうかなし --- コスト:25(コスト技の威力:40) メディスン 解説 育成例寄生ヒーリング型 覚える技レベルアップ タマゴ技 技マシン 解説 瘴気+自然による広いタイプ半減と、豊富な補助技、高めの火力を持つ鈴蘭畑の有毒人形 特殊耐久力はAひなやTさとり等と同等。この三人は全てS種族値が50でメディスンは直接火力では最も劣る とはいえ、低いといってもCは90クラス。受けとして見れば火力は出やすく、削り性能は高い 特に、ヤドリギのタネ+ポイズンボムの二択が厄介 ポイズンボムの効かない鋼にはタネが、種の効かない自然にはボムが確定で刺さる 前述のヤドリギに加え、まきびし、どくどく、火傷粉、痺れ粉、天使のキッス(卵技)と状態異常のエキスパート ただし、これら補助技はいずれもSメディが覚えられる。加えて向こうはアンコールも取得可能だが、直接的な攻撃力はこちらの6割程度しかない また、ステータスの類似性からひなもライバル。やはり火力ではまさるが、補助技・退場技ではやや向こうに分がある 総じて、鈍足アタッカーと受け・補助カケラとの中間に位置するカケラ。相手の行動を邪魔しつつ、HPを削るのが主な働きとなる 育成例 寄生ヒーリング型 性格 図太いor穏やか 特性 ポイズンボディ推奨(葉緑素でも可) 持ち物 たべのこし 努力値 S92(S60族6振り抜き) BorDとHに残りを割り振り 技構成 ポイズンボム 宿木の種 身代わり 見切り たべのこし 宿木の種植え付けによる粘り勝ちを狙う自己完結の昆布型 交代際に宿木を差込、身代わりと見切りで体力を回復しつつ相手をじわじわと削っていく 自然タイプにアンコール持ちがやや多いことには注意(ルナやSしずはなど) 挑発で止まらないためのポイズンボム、というのも、人形劇環境には然+鋼が居ないため、Pボムか種のいずれかが絶対に決まるためである 鋼タイプに挑発されたらあきらめましょう 相手体力に回復量が依存する事と怪しい霧には注意が必要。ただし、特性怪しい霧(本家へドロ液)を持つカケラは1.812環境ではひな系とヤマメ系のみで、いずれももう一方の特性が優秀なため通りが比較的良い 特性2種のうちポイズンボディを推奨するのは仕事を増やすため。疾風・電光石火(・氷の礫)以外の先制技は軒並み等倍以下で、かつ軒並み接触技なので地味ながら相手にストレスをかけられる サラやAリリーB等見えたら逆に気をつけること毒追加→根性発動でチャンスがピンチになる 速度調整に関しては、S60族には瘴気4倍弱点であるDかぐやとスター系全てが属しているというのがその理由(→参考) 彼女らに先制可能であるなら何もさせずに仕留める事も夢じゃない 覚える技 レベルアップ ちびメディ メディスン 技 威力 命中 タイプ 分類 1 - どくばり 30 100 瘴 物理 5 - どくのこな - 75 然 変化 8 - しびれごな - 75 然 変化 11 - どくのしずく 40 100 瘴 特殊 14 - はっぱカッター 65 100 然 物理 17 - やどりぎのタネ - 90 然 変化 20 - メガドレイン 40 100 然 特殊 23 - しょうき 65 100 瘴 特殊 - 1 しぜんのちから Cost 100 然 特殊 - 1 エナジーライト 80 100 然 特殊 - 1 こらえる - - 夢 変化 - 1 まきびし - - 地 変化 - 1 ねをはる - 100 然 変化 - 1 みがわり - - 幻 変化 - 1 おきみやげ - 100 化 変化 - 27 せいちょう - - 然 変化 - 30 ねをはる - 100 然 変化 - 33 こうごうせい - - 然 変化 - 36 ポイズンボム 95 100 瘴 特殊 - 40 エナジーライト 80 100 然 特殊 - 44 やけどごな 0 75 然 変化 - 48 どくどく - 85 瘴 変化 - 52 おきみやげ - 100 化 変化 タマゴ技 技 威力 命中 タイプ 分類 PP トリック - 100 理 変化 10 リフレッシュ - 100 水 変化 20 こうごうせい - - 然 変化 5 てんしのキッス - 90 心 変化 10 あやしいかぜ 70 100 化 特殊 5 うらみ - 100 化 変化 10 じこあんじ - - 理 変化 10 ふういん - 100 神 変化 10 技マシン 技マシン 威力 命中 タイプ 分類 PP 06 どくどく - 85 瘴 変化 10 08 のろい - - ? 変化 10 11 にほんばれ - - 炎 変化 5 12 ちょうはつ - 100 暗 変化 20 17 みきり - - 夢 変化 10 19 ギガドレイン 75 100 然 特殊 10 22 ソーラービーム 120 100 然 特殊 10 27 おんがえし 102 100 幻 物理 20 30 シャドーボール 90 100 化 特殊 15 32 かげぶんしん - - 幻 変化 15 36 ポイズンボム 95 100 瘴 特殊 15 40 いばる - 90 暗 変化 15 42 からげんき 75 100 幻 物理 15 43 ひみつのちから 70 100 幻 特殊 20 44 ねむる - - 幻 変化 10 45 メロメロ - 100 心 変化 15
https://w.atwiki.jp/energyseed/pages/191.html
メディスン 転職条件 メディスン人形のみ(?) コンパロ 成長率 50_f.gif HP MP 攻 守 素 魔 精 E A D D C A A 備考 コンパロ~♪な毒人形MP・魔力・精神の伸びが良い。 習得スキル 名前 習得SP 威力 消費MP 属性 判定 攻撃側/防御側 備考 神経の毒 15 ? 10 無 攻 -/精神 全体攻撃+麻痺 憂鬱の毒 20 ? 10 無 攻 -/精神 全体攻撃+毒 攻撃40%ダウン スイートポイズン 30 - 10 - - - 味方全体回復+猛毒 ガシングガーデン 50 - 20 - - - フィールド全体を猛毒 ポイズンブレス 70 ? 25 無 攻 -/精神? 全体攻撃+毒 イントゥデリリウム 100 - 50 - - - フィールド全体を錯乱 ミストオブコンパロサイド 1000 - 50 - - 全体、猛毒か鈍足付与 状態異常技で埋め尽くされている。また、地味に全体攻撃が多い。 フィールド全体を異常にする技は自分にもパーティメンバーにも負担がかかるので注意。 技の判定が物理なのも特徴。魔無効の敵にも麻痺が通る。※調整によりメタル系の敵に麻痺が入らなくなった模様(?)要検証 コメント 消して確率は高いとは言えないがメタル系にも麻痺そこそこ入る。 -- NEET社長 (2012-05-02 23 00 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/71.html
ゲームボーイ/か行 か行 ガイアマスターDUEL カードアタッカーズ カエルの為に鐘は鳴る かこむん蛇 カットビロード カプコンクイズ ハテナ~の大冒険 ガメラ 大怪獣空中決戦 からくり剣豪伝ムサシロード カラムー町の大事件 カラムー町は大さわぎ! ~ポリンキーズとおかしな仲間たち~ カルトジャンプ かわいいペットショップ物語 かわいいペットショップ物語2 カンヅメモンスター カンヅメモンスターパフェ がんばれ!ニッポン! オリンピック2000 がんばれゴエモン さらわれたエビス丸 がんばれゴエモン 黒船党の謎 がんばれゴエモン~もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!~ がんばれゴエモン~星空士ダイナマイッツあらわる!!~ がんばれゴエモン~天狗党の逆襲~ カード・ゲーム カードキャプターさくら ~いつもさくらちゃんと一緒~ カードキャプターさくら ~友枝小学校大運動会~ カービィのきらきらきっず カービィのピンボール カービィのブロックボール カーブノア きかんしゃトーマス ソドーとうのなかまたち きせかえハムスター きせかえ物語 キッチンパニック キテレツ大百科 冒険大江戸ジュラ紀 キャデラックII キャプテン翼J 全国制覇への挑戦 キャプテン翼VS ギャラガ ギャラクシアン キュービリオン キョロちゃんランド キラートマト きんぎょ注意報! わぴこのわくわくスタンプラリー! きんぎょ注意報!2 ぎょぴちゃんをさがせ! キン肉マン ザ・ドリームマッチ クイズ世界はSHOW by ショーバイ!! クイズ日本昔話 アテナのハテナ~ クイックス クイックスアドベンチャー クォース クマのプー太郎 宝さがしだ大入りゲームバトル! クラックス グランダー武蔵RV グランディア パラレルトリッパーズ グランデュエル ~深きダンジョンの秘宝~ クリスティーワールド グリンチ ぐるぐるガラクターズ ぐるぐるタウン はなまるくん グレムリン2 THE NEW BATCH クレヨンしんちゃん オラとシロはお友達だよ クレヨンしんちゃん オラのごきげんコレクション クレヨンしんちゃん2 オラとわんぱくごっこだゾ クレヨンしんちゃん3 オラのごきげんアスレチック クレヨンしんちゃん4 オラのいたずら大変身 クロスハンター エックス・ハンター・バージョン クロスハンター トレジャー・ハンター・バージョン クロスハンター モンスター・ハンター・バージョン グローカルヘキサイト ゲゲゲの鬼太郎 妖怪創造主現る! ゲームコンビニ21 ゲームで発見!!たまごっち ゲームで発見!!たまごっち オスっちとメスっち ゲームで発見!!たまごっち2 ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ… ゲームボーイウォーズ ゲームボーイウォーズ2 ゲームボーイウォーズ3 ゲームボーイウォーズターボ ゲームボーイギャラリー ゲームボーイギャラリー2 ゲームボーイギャラリー3 ゲームボーイモノポリー ゴジラくん 怪獣大行進 コスモタンク ゴッドメディスン ファンタジー世界の誕生 ゴッドメディスン 復刻版 コトバトル 天外の守人 コナミGBコレクションVol.1 コナミGBコレクションVol.2 コナミGBコレクションVol.3 コナミGBコレクションVol.4 コナミックゴルフ コナミックスアイスホッケー コナミックスポーツ イン バルセロナ コナミックバスケット コマンドマスター コラムスGB 手塚治虫キャラクターズ ゴルフ ゴルフ DE おはスタ ゴルフだいすき! ゴルフ王 コレクションポケット コロコロカービィ ころダイス コントラ ゴン太のおきらく大冒険 ゴーゴー アックマン ゴーストバスターズ2
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/979.html
メディスン2 1スレ目 600 ――目が覚めたら、そこには天使がいた。 「……あ、目が覚めたみたいね。スーさんの真ん中で気付くなんて、中々タフな人間みたい」 違った。天使じゃないみたいだ。羽根もないし、なにより服を着ていた。普通の女の子。……まあ、それくらい可愛いとは思うけれど。 身体を起こす。紫色のなにかが、体中にまとわり付いている。ゆっくりと身体を起こす動作にあわせて、はらはら、はらはらと舞い落ちて行くソレは、とても綺麗だと思った。 「ここは、どこだ?」 自分でも意識しない声がでた。不意に出した言葉というのは、実はなによりも的を得ているというが、実際そうだったと思う。こんな状況で判っても仕方ないが。 「ここはねー、スーさんの咲いている丘よ」 「スーさん?」 なんてこった。ここは釣りバカの聖地だったのか。 「スーさんっていうのはね。鈴蘭のスーよ。まあ、判らないで当然だわー」 ……とりあえずバカなことを考えた自分を殴っておいた。 目の前の女の子は、僕の挙行に不振な目を向けている。まあ、いきなり自分を殴る奴がいたら怪しいだろう。僕でもそんな目をする。 「まあ、それはともかく……そうか。ここは鈴蘭の丘ってことか」 立ち上がる。寝転んでいたときは気付かなかったが、女の子の背丈は僕の腰より少し高いくらいしかなかった。 辺りを見渡す。紫色の花弁が、これでもか、というくらいに咲きほこっていた。 思わず、見ほれてしまう。そのとき、女の子が声を上げた。 「ところで、人間さん。あなたはどこから来たの?」 「ん? 僕かい。僕は……」 答えようとして、言葉に詰まった。 なぜなら、おかしいことに気付いてしまったからだ。 僕は、……なことがあって、……逃げたくて、……それで、……遠くに。 そうだ。遠くに。遠くに行きたかった。自転車で――自分がたどり着ける限界まで走ったのだった。 それなのに。なんでこんなところで倒れている? 疲れて、意識がなくなった、だけならいいのだ。しかしその場合、僕の『近くに』自転車が倒れているはずなのだ。 さて、もう一回確認してみよう。僕の周りには、何がある? 「……?」 不思議そうな顔で僕を見上げる女の子。そして咲き誇る鈴蘭の花たち。 ――それしか、なかった。つまり、それは――。 「僕は、どこから来たんだ……?」 僕は、疑問を疑問で返す、という初めて会う女の子にたいして失礼極まりない行為をしてしまった。 「判らないの? 自分がどこから来たのか」 女の子は、なんだかとても不思議そうな目をしてこちらを見ていた。 「うん。全然判らない。なんでだろう?」 大変なことだと思う。記憶障害とかそういうものだろうか。しかし僕はなぜかあっけらかんとしていた。 それよりも――、そう、自分よりも。目の前の女の子が気になっていたのだと思う。 「どうしてなのかしら? 寝ている間に、スーさんにやられたのかしらね?」 こくん、と可愛らしく首をかしげる女の子。その仕草が、どこかで見たかのようで。 ――ねえ? それ、どういうことなの? ……ゃん―― 「まあ、どうでもいいや。ところで」 「どうでもいいんだ。人間ってそういうのこだわるかと……ううん、そうでもないか。紅白とか白黒とか」 紅白だの白黒だの、ちょっと気になったがまあいい。これも縁ってやつだろう、と気を取り直した。 「君の名前は? なんていうの?」 そう聞くと……女の子はニヤリ、と……本人はニヒルなつもりなのだろうが、残念なことに愛らしさしか伝わってこない笑みを浮かべ、恐らくは起伏があんまりないだろう胸を張って、声高に叫んだ。 「私は、メディスン・メランコリー! 未来の救世主よ!」 救世主、とかいうのになんだか変な感じがしたのだが……まあ、そんなものはどうでも良かった。 メディスン。いい名前だと思う。日本語に訳すると薬。とりあえずは僕にとってそうであると思う。 「そっか。メディスン……」 「ところで人間さん。どこから来たのか覚えていない、どこへ行くのかも知らない。そんなあなたは、これからどうするの?」 「あー……」 言われて気付いた。 僕はここにいたるまでの経緯も知らず、着の身着のまま、そして移動手段も徒歩しかない。 近くに町とかがあるのならばまだ違うのだろうけど……知らず知らず遠くに来ていたのか、ここは鈴蘭しかなく、遠くを見ても建物のたの字も無い辺境だった。 「どうしよう。……ところで。メディスンはここで何してたの?」 まさか、ここで暮らしているなんてことはあるまい、と思ったのだが。 「私? ここは私の住処だもの。だから、あなたがいて驚いたのだわ」 ……ここで。暮らしている。 女の子が。着の身着のままで。お花畑の中で。 なんだかそれは、恐ろしいほどの幻想(ファンタジー)だった。 「本当に……? 雨とか、つらくないの?」 そんな幻想に向かって、ついつい現実的な指摘をしてしまう。僕の悪い癖だ。僕は昔から、絵本とかに無意識に突っ込みを入れてしまう癖がある。それを話すと、大概現実的ね、と言われるのだが……僕自身は、そういう話が大好きなのだ。 「そうなの。だから、最近はちょっとした家を作ってみたのよ。永琳に教えてもらったの」 えいりんとは誰だろう、とは思ったがそれは今は重要じゃない。 とにかく、メディスンは雨の中ずぶ濡れにならないってことで、それはいいことだと思う。 「そうね。せっかくだから見せてあげる。私の家――自信作なのよ!」 「え、ちょ、ちょっとメディス――」 そういうが早いか、メディスンは僕の手を引っ張り、走り出した。 ……で。辿りついた先には。 「これが……えと。メディスンが作ったのかい?」 「そうよ。凄いでしょう? 丸三日かかったんだから」 えへん、と胸を張るメディスン。 僕はというと、目に映る光景に驚嘆を禁じえない状況だった。 メディスンが家、と言っているものは……本当に「家」だったのだ。 僕が知る限り、こんな本格的なものを作るのは職人くらいしかできないはずだ。それを、たった三日で作るなんて……なんて子なのだろう。 「これは……凄いな」 「そうでしょ? えへへ、もっと褒めてもいいわよ」 メディスンは、胸を張りながら嬉しそうに笑った。 華が咲くように笑った。どくん、と僕の心臓が跳ねた。 ――えへ。もっと、もっと褒めて。お……ゃん―― 「そうだ。せっかくだし、しばらく私の家にいてもいいわよ」 メディスンの言葉に、僕は喜――ぼうとして、押し留まった。 「その申し出は物凄くありがたいのだけれど……えっと、メディスンは、この家で、一人で、暮らしているんだよね?」 今までの事実、会話を照らし合わせれば僕の疑問は疑問ではなく事実確認にほかならない。 しかし確認しなければならなかった。 それは僕の数少ない男としての矜持……というやつである。といいなあ。 「当たり前よ?」 予想通り。メディスンは何を言っているの、といわんばかりの顔でこちらを見た。 ああ。判っている。判っているんだ。 でも、それでも、これだけは、これだけは確認しないといけないんだ。 「女の子が一人……その中に男が……」 「? そうなるけど、それがどうしたの?」 どうしたのときましたよこのお嬢さんは。 いや僕にやましい気持ちはない。英国紳士だって顔負けの紳士っぷりであるとご近所でも評判だった。 しかしだ。それでも……あれだ。世間体とかさ。あるじゃん、ねえ? しかも、この場合悪者になるのは僕だ。間違いなく。古来より、男と女が関わる不祥事では、男が負けるものと古の書物に書いてある。具体的には竹取物語とか。 「……ふんふん。判ったわスーさん、もう入れちゃうね」 僕が煩悶としていると、メディスンは傍らの小さい……なんだ、あれ?と会話しているみたいなそぶりを見せていた。 その所作に気付いたときには、僕の身体はメディスンによってずりずりと押されていた。 「な、ちょっと待てメディスン! 僕は入るとは言ってな――!」 「私が入れる。入れたいから入れるわ」 なんて我侭な! くそう、自慢じゃないが僕は押しに弱い(用法が違うが)。 このままじゃ、理不尽に中に入れられてしまうではないか! 「ん、ちょっと、やっぱりあなた大きい……んっ、ちょ、暴れないで、入らない……でしょ」 「……」 ぴたり、と僕は暴れるのをやめた。気持ち前かがみだけど。 ……ちょっと、自分が嫌になった瞬間だった。 メディスンがいなかったら、すぐさま傍らの鈴蘭にダイヴしていたと思う。車田落ちで。 「あら。おとなしくなったわねー。行くわよー」 「判ったよ。入るから。もう押さなくていいから……」 全く、小さいナリで自分ってものが強いな。 この年頃はそうであると思うけれど、この子は人一倍我侭だと思った。 ――ほぅら、私の言うとおりにして。じゃないと、お……ちゃんを嫌いになっちゃうわ―― 「いらっしゃい。私の家の、初めてのお客様!」 何故か一瞬揺れた頭を振って、僕はメディスンの家に上がった。 それから、流れるように時間が過ぎていった。 その中で、僕は、ここが自分のいた世界と違うこと。幻想郷と呼ばれる場所だということを知った。 なるほど確かに、あんなに鈴蘭が群生する場所など僕の世界には存在し得なかったし、僕の自転車がなかった理由もわかろうというものだ。 僕は、メディスンの家に住まわせてもらいながら、ずっとメディスンの……手伝いっぽいことをしていた。 っぽい、などというのは、メディスンは特にコレ、という仕事のようなものをしていなかったからだ。しかし、定期的に作った薬……僕にはなんの薬だかは教えてくれないが……を例のえいりん、とかいうひとに届けに行くようで、それを作るための草や道具を調達するのが僕の役目になっていった。 楽しかった。 今まで、そう、前の世界に居た自分の生活がかすんでしまうほどに……楽しかった。 メランコリーが傍に居て、メランコリーになる暇が無いほどあわただしく、楽しい、生活が続いた。 そんな中……僕は、えいりんさんに会えることになったらしい。何でも、メディスンが出先でことあるごとに僕のことを話していたらしい。 今日はその日だった。 「っで。いつ行けばいいのかな? っていうか僕はどうすればいいんだい?」 「今日はね、久しぶりに永琳から来てくれるの。だから、あなたはここに居ればいいわ」 とはいえ、初めて会う人だ。 メディスンから、色々と話は聞いているが……それでも初対面なのだ、緊張しないはずが無い。 確かそう、凄い美人で天才で凄い人らしい。全く緊張してしまう。……そうか綺麗な人なのか、そうかそうか。 「……」 「痛っ! ちょ、メディスン今僕の太腿つねっただろ!?」 「つーん。何もしてないわ。気のせいでしょ」 ぷいっと顔を背けるメディスン。 ズボンの中を見ると、太腿が青く変色していた。なんて力だ。というか僕が何をした。 「ふんだ。そんな顔じゃ、嫌われるもんねーだ。いつもいい顔じゃないけど」 「……言ったな。そら僕だっていい顔だとは思いあがってないが、ちょっと気に障るぞメディスン?」 「言ったわよ。鼻の下伸ばしちゃって、ばっかみたい」 「…………伸びてたんですか。僕」 「馬並みにね」 ……そら不味いわ。気付かせてくれたメディスンには感謝……なのか? いやでもなんでつねられる必要が? うーんと僕が悩んでいると、 「あらら。結構いい感じに出来ているじゃない」 玄関から――これだけで綺麗だと確信できる声が聞こえた。 「あ、永琳が来たわ。私、行ってくるね。あなたはここにいてちょうだい」 「え、あ、うん、判った」 メディスンは走っていった。埃が立つから室内では走るなとあれほど言っているのに、守ってくれやしない。 いつもいつも、返事だけはいいのだ。あとから注意しても、軽く笑ってごめんなさいと言うだけで――。 ――あ、あはは、ごめん、ごめんなさい~。次から、ちゃんとするから! ね、お……ぃちゃん―― 「お邪魔するわね」 「いらっしゃい、永琳! ようこそ、私の家へ!」 玄関から元気な声が聞こえた。そして、とたとたとこちらに走ってくる音と、ぱたぱたと上品な音が近づいてきた。 僕は、とりあえず居住まいを正した。 メディスンのときはいきなりだったからそうでもなかったが、僕は基本的に人見知りするのだ。 初めて会う人、なんて前置きをしたら、恐ろしく緊張してしまう体質なのである。 あ、なんかドキドキしてきた。 「こっちが、客間!」 「よく出来てるわね……あら」 「あ」 なんの前触れもなく、メディスンと……後ろに立つ人がえいりんさんだろう、がこの部屋に入ってきた。 「ほら、永琳。この人がいつも話してる――」 「え、え、ええと、はじめまして」 「ふふふ。はい、はじめまして。八意永琳よ。あなたのことはメディスンから聞いているわ」 前触れもなくはじめられた自己紹介も、流れるように、というより流されて行われてしまった。 衝撃が凄かった。それほどの美人だった。 昔読んだ小説に、光輝くほどの美貌、とかいう言葉があったが、まさにそれを体現していた。 浮かべられた微笑は慈愛に満ちているかのようで……ああ、これほど自分のボキャブラリーの貧弱さを嘆いたのは初めてだ。 「……ねえ! 私、お茶淹れてくるね!」 何故か大声で宣言し、メディスンは台所(当初はなかったが僕が作った)に歩き出した。 そして僕の傍を通るとき――これはわざとだ、確信できる――僕の足を思い切り踏んづけていった。 「……!!」 「……ふんだ。鼻、気をつけてね」 小声で呟いてメディスンは部屋を出て行った。 僕はというと、あまりの痛みに声すら出ない。僕が何をしたというのだ。鼻の下は伸ばしたかも知らんが、それでこの所業はきつすぎまいか。 「……ふふふ。仲良しね」 痛みがようやく和らいだ頃、永琳さんはそう言って微笑んだ。 なんというか……この様子を見て仲良しといえるのが凄いと思った。どっかズレてるんじゃないか。 「……はあ。仲は悪くないと思いますが」 そうでなきゃ、これまでやってこれなかっただろう。 つくづく、最初に見つかったのがメディスンで良かったとおもう。 「……ね。ちょっとあなたに言いたいことがあるの」 永琳さんは近づいてきた。 ……なんだなんだ。なんだこの展開は。10人男子がいたらおそらく十中八九は夢想する大人のお姉さんの誘惑って奴ですか? まあそれはないと思うけど! 「あなた……」 思い切り近くまで寄って、メディスンに聞かれたくないのだろうか、囁き声で。 僕はというと、緊張のあまり身動きすらとれなかった。 しかし。 「――あの娘から、離れなさい」 その言葉で。一気に現実まで……それどころか、心が身体に入るときに勢いが付きすぎたのか、衝撃まで受けていた。 「な――!」 「大きな声を出さない。気付かれてしまうわ」 「……っ」 「そう、それでいいの」 何を、言い出すんだ。この人は一体。 あの娘――メディスンと離れろ、だと? 「あの娘から聞いているかしら? あの娘は、人形なのよ?」 知っている。それは、はじめてあったあの日の、夜に聞いた。 驚いた。そらもう大層驚いた。が、それだけだ。 たとえ人形だろうとなんだろうと、動いて喋って考えて、『生きて』いる。 ならば、それはすでに独立した一人の『存在』だ。人形だろうと何だろうと関係ない。 「メ――」 「そう。その気持ちは立派。とてもとても立派。だからこそ、あの娘はあなたと一緒に居るのでしょう。しかしね」 永琳さんは、僕の気持ちを見透かしたかのように――いや、実際見透かしているのだろう。 今初めて向き合ったが、この人の瞳は昏く昏く、どこまでも吸い込む闇のような目だった。 それに見つめられている、その事実だけで震えが走る。しかし、負けるわけにはいかないのだ。 だって、僕は――。 「その気持ちは真実? その気持ちは純粋? ……あなたのその気持ちは……『誰に向けたものなのかしら』?」 揺さぶられた。 心、身体、たましい、――僕という、『存在』全てが。 「あ、あああ、あ――」 「その気持ちが真実で無いのなら。『代用品』であるのなら。そうではないと言い切れないのなら。今すぐここから消えなさい――」 そう言って。僕の頭を、両手で掴んだ。 「これはサービスよ。『本当の相手を思い出させてあげるわ』」 ずどん、と。僕の頭に、柱が打ち付けられたような痛みが走った。 ――ね。聞いてくれる? 私ね、『お兄ちゃん』のことが、大好きだよ―― うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! 「お兄ちゃん。こっちだよ」 「ちょ、ちょっと待てよ」 走る妹のあとを追いかける。 小柄なくせに、いや小柄だからこそなのか、妹はすばしっこい。 しかも、女の子のくせに男顔負けの冒険好きだったりするのだ。全く、なんでこんな娘になったんだろう。 それでいて、なんでだか知らないが……いつも一体の人形を持ち歩いている。変なところだけ女の子っぽいのだ。 『なんだ。これは。』 今日は、積み上がった資材置き場。廃材が入り組んで自然の迷路を作った場所に来た。 っというか、連行された。そこそこいい年になってきたんだから、兄貴離れくらいしろよ……とも思うが。その一方で嬉しいと思うのだ。全く、こんなことだから妹離れができやしない。僕は内心で溜息をついた。 『あの日。あの日。あの日の、記憶――。』 廃材の迷路。駆け抜けた先に、光が見えた。 ようやく空が見えるのか。妹のサイズなら悠々と歩けるとはいえ、僕とは相性が悪い。常にかがんで歩かねばならないのだから、天井ともいえるものがなくなるのはありがたい。 「出口、やったね! お兄ちゃん!」 「あー、そうだね。早く抜けたいよ僕は」 妹は、見えた穴から外に出た。その穴は、妹ですらかがまないと入れないくらい小さい。 まあ、こういうことも沢山あった。なので素早く四つんばいになってその穴を抜けた。服が汚れるが……その件に関して僕の両親はもう諦めているので問題ない。……いや、あると思うがなないと思い込んでおく。 その先には。 「わあ……すごい、お花畑になってるよ……」 「おおお、すごいな、これは」 一面の花が。咲き誇っていた。 ひゅうと、風に揺られて、沢山の花弁がいっせいにこちらを向いた。あまりにタイミングが揃いすぎていて笑ってしまった。 「ひゃっ!」 妹は、急に声を上げて、飛び上がった。 「なんだ、どうした?」 「背中……何か入った!」 妹の服を覗き込む。そこには、さっきの風で舞い上がったのだろう、花びらが何枚か入っていた。そんなものでも不意をつくと驚かせられるんだな、と思うと微笑ましくて……笑いながらとってやった。 「もう……お兄ちゃん、笑っちゃダメよ!」 「ああ、悪い悪い」 「……て、あっ!」 もう一回声を上げる妹。その視線の先は……ころころ、と転がっていく……いつも持っていたあの人形。 花のせいで気付かなかったが、ここはなだらかな斜面になっていたのだ。 「ま、待って!」 妹はそれを追いかけていく。僕も、一人にしては大変だと……後をおった。 『ああ。ああ……思い出してしまう。やめてくれ、やめてくれ。』 急に途絶える花畑。透き通る蒼い空。 そこには――『何もなかった』。ただ、ただ――切り立った崖があるだけで――。 「――え?」 僕の声は、非常に間が抜けていたと思う。そして人事のように聞こえたのだ。 現実が直視できず。現実を認識できず。 そこに、妹がいないことが。僕を目覚めさせて――。 『やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』 血だらけの妹。焦点の合わない瞳。どこかに伸ばされた手。呟かれる言葉。 人形。あれは僕があげたもの。だからいつも持っていた。なんで。どうして。 好きだから。僕のことが。お兄ちゃんが好きだからお兄ちゃんがくれたものだから お兄ちゃんが好きだったでもこれじゃもうだめだよみえないさよなら――。 バツン。モニタの寿命が切れたテレビのように、映像は――記憶は途絶えた。 「――あ」 気が付けば。僕は天井を見ていた。 そこは知らない天井じゃない。一人で暮らしていたくせに広く作りすぎたゆえに最初から用意できた、メディスンが作った僕の部屋だ。 鈍痛がする。頭の中に鈍い痛みが充満していた。 視線を巡らせる。すると、すぐ傍に――人の、いや人とはちょっと違う気配を感じた。メディスンだ。 何か、言わないと……。僕は頭痛を抑えながら上半身を起こそうとした。 「……、っ、起きた、の?」 メディスンの声が、様子が、おかしい。 耳を澄ませると、ぽた、ぽた、と音がする。鈍痛に打ち負けて視線が下がる。床には、そう、『まるで今さっき水滴を落としたような』染みが広がっている。 「……うん。今、目が覚めた」 でも。僕はそれについて言及することは出来ない。出来るはずがなかった。 形容しがたい痛みに耐えて、身体を起こす。 暗さになれた目は――、俯いて、時折しゃくりあげるメディスンを僕の網膜に映した。 しばし、この空間が沈黙で支配された。 こんなことはなかった。今まで――メディスンと一緒に居て、こんな静かな時間はなかったのだ。それを考えると、今がどんなにおかしいことか。 でもそれは、きっと、いや、確実に僕のせい。僕の犯した罪が――こんな時間を作り出している。 やがて。それを打ち破ったのは。 「……答えて」 メディスンの声だった。 その声色は、今までのメディスンとは違う……冷えて、固く、重かった。 僕は、その問いに……頷くしかなかった。それ以外を選択する術などないのだから。 「あなたは……私を見ていたの? ううん……『誰を見ていたの』?」 判っていた。そういわれることは……理解していた。 でも。それでも――僕の胸に衝撃が走った。さっき……僕の感覚ではさっきだ……永琳さんに記憶を呼び覚まされたときの衝撃よりも大きい衝撃が、走った気がする。 「……ああ」 それは。恐ろしく単純で。恐ろしく、彼女を冒涜した行為――。 「僕は。きっと、妹を君に見ていたんだ」 自分の罪を。懺悔をするかのように、告白した。 途端――。 「ふざけないで――!」 きっ、と。今まで伏せられていたメディスンの顔が上げられた。 その瞳には、悲しみ、苦しみ、怒り、敵意、――考えうるかぎりの負の感情が宿っていた。涙は滝のように溢れ、目は真っ赤に腫れ上がり――。 「私は、あなたのための人形じゃない! あなたの都合のいいように作られた人形じゃない! あなたの操り人形じゃない! 代わりの為に作られたヒトガタじゃない――! 私は、メディスン・メランコリー! 人形なんかじゃ――ない!!」 叫び声を上げた。それは、悲鳴に近かった。 ああ。僕は……なんて罪を犯してしまったのだろう……。彼女に。何よりも純粋な生そのものの彼女に。 ヒトの――穢れを押し付けてしまったのだ――。 ああ、ああ。でも。僕はそれでも……君が好きなんだ。 あのとき言えなかった台詞。言おうとして……自分の心にしまってしまった台詞。 最初は、彼女の中に妹を見ていた。だからこそ、そう、だからこそ。『最初にあったとき、僕は自然に接することが出来た』んだ。 でも。その気持ちが……変わっていくのはそう時間が掛からなかったと思う。自分でも良く判らない。 「何か、何か言いなさいよ! ……言ってよ、お願い……」 メディスンが泣いている。僕はどうすればいいのだろう。謝っても、何も解決しやしないのは自明だ。 この気持ちを伝える? 馬鹿な。そんなことをしても――信じてくれやしないだろう。仮に信じてしまったとしても、メディスンの中に負い目が出来るのは間違いない。 それは僕の望むところではない。だって、僕がメディスンに惹かれたのは――その、純粋さなのだから。 心の思うままに笑う、それは僕にはなかったこと。その姿に、僕は惹かれたのだ。 そんな、そんな姿を――穢す事なんて。僕には出来そうも無くて――。 そのとき。目の前を、ふよふよと飛ぶ何かが見えた。それは、いつもメディスンの傍に居た、そうだ、スーさん。彼女は……僕を責めるかのように、顔の目前でくるくると回っていた。 ああ。そうか。やっぱり、僕は罪人なのだ。 認めてしまった瞬間……僕の右手は開かれた……。起きてからも、ずっと意識せずに固く握っていたソレの中には、一錠の錠剤がある。 これは、あの時――。永琳さんに持たされたものだ。そう。自分の罪を認めたのなら、『自分が消えてしまえるように』――。 まるで覚えてやしないのに、フラッシュバックする記憶。そういう、術だったのだろうか。 消えてしまえばいいのだ。自分の犯した罪に耐え切れず、逃げ出してしまった僕は――もっとはやくにこうするべきだったのだ。 僕のせいじゃないと。周りの大人たちは言ったけれど。それでも違う。僕がもっと自覚していれば、ああはならなかったはずだから。 かたかたかた。指が震える。それはなんだろう、恐怖なのだろうか。今この状況ですら、死に恐怖を感じる自分自身に、怒りすら覚えた。 「……! もしかして……!」 メディスンが、僕の手にあるものに気付いたみたいだ。 止められるわけにはいかない。これは僕のけじめだから。 ありがとうメディスン。こんな僕を、罪まみれの僕を好きになってくれてありがとう。 ああ。でも。やっぱり、僕は愚かだ。最後の最後に、君に呪詛を残してしまう。純粋な君を――穢してしまうのか。 「ごめんよ。僕は……愚かだった。僕の犯した罪は消えないけど、謝るしか出来ない……ごめん。そして……ありがとう。僕は、メディスンのことが、」 右手のそれを一気に口に運んだ。躊躇なんて、すでに吹き飛んでいた。 最後に。メディスンの顔を――笑顔でないのが残念だけれど――目に焼き付けた。 「大好きだよ」 ごくんと。それを飲み込んだ。 途端に――意識はシャットダウンした。 ――……………ないで―― 聞こえる声。僕は何をしていたのだっけ? ――わ…………ないで―― とても大切なものだったと思う。その声が、大切だった。 ――わ………てないで―― ああ。なんで僕はまだ僕のまま、この声を聞いているんだろう。 ――わた……てないで―― どうでもいい。その声が泣いているように聞こえたから。僕は、その声の持ち主を泣かせたくなくて――。 目を、開いた。 「捨てないで……私を、捨てないでよう……行かないで……行かないで……」 そこでは。僕の身体にしがみついて、泣きじゃくるメディスンが居た。 身体はぐったりして……今にも倒れてしまいそうな、憔悴した表情で。 「……メディスン!? 何を、何をして……げほっ!」 声を張り上げたつもりだったのに、身体が言うことを聞かなかった。これがあの薬の代償なのだろう。 それでも、少しずつ、少しずつ、身体に溜まった何かが抜けていく感覚がする……。 「……目、覚めた? 良かった」 辛そうな顔を隠そうと、笑顔を作ろうとしているメディスン。見ていられなかった。これがみんな僕のせいなのだ。 ああ。どうして、僕は何をしても彼女を苦しませてしまうのだろう……。 「僕は……」 「いいの」 メディスンは、僕の言葉をさえぎった。そして今度は本当に、笑顔になって……。僕に向かい直った。 「今、わかった。あなたが、本当に私を想ってくれた事。そして、私もあなたが好きだってこと」 「え……」 放たれた言葉は、僕にとって予想外で。 でも本当に嬉しい言葉で。でも……僕が受け取ってもいいものなのだろうかと、不安になってしまう。 「でも、僕はまだ割り切れていないんだ。またメディスンを怒らせてしまうかもしれない……」 「忘れた? 私は毒を操るのよ……。あなたのこころに、さっきみたいな自暴自棄の毒が溜まってしまったなら……私が抜き取ってあげる」 「毒……? どうやって、とるんだい?」 「こう、するんだ」 不意に。僕の唇にちいさな唇が触れた。 「……ふふふ」 ぽかん、と馬鹿面を下げている僕に、小さなスイートポイズンは笑って、こういった。 「これから、私の魅力って毒であなたの身体を一杯にしてあげるもの。私以外のこと、考えられないようにしてあげる」 ああ。僕って奴は本当に馬鹿だ。大事な女の子を不安にさせて、泣かせて、挙句こんなことさえ言わせて。 でも、これから先は。彼女を大事にすると誓おう。彼女の純粋さを。この笑顔を、ずっと見ていくために。 「大好きだよ。メディスン――」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 169 白と緑の海。 名も無き丘の名も無き花畑。 たくさん咲き乱れるスズランの中、俺とメディスンは並んで寝転んでいる。 俺もメディスンも何もしゃべらないし、視線を横に動かすことも無い。 どちらかがもう眠ってしまったのかもわからない。 でも、お互いの手はしっかりつながれている。 愛しい人とのつながりが、ちゃんとある。 メディスンの手の感触・・・・・・温かい。 人形にも体温がちゃんと体温があるんだな・・・。 「ねぇ?」 声。 その声に振り返ると、メディスンがこちらを見ているのがわかった。 「本当によかったの?」 その声は少し不安げな声色だった。 その瞳は少し悲しそうな色をしていた。 「私と一緒にいること・・・・・・」 「・・・・・・」 ここはスズランの花畑。 スズランには毒があり、俺はすっかりその毒に当てられてしまった。 身体のほうは問題ない。 最初のうちはしょっちゅう体調不良を起こしていたが、今ではすっかり慣れてしまった。 だが、それがいけなかった。 スズラン畑に長くいたおかげで、俺の身体にスズランの毒の香りがしっかり染み付いてしまったのである。 そのおかげで、俺はメディスン以外のほかの誰かに近づくこともできなくなっていたのだ。 近づけば近づくほど、その人をスズランの毒で蝕めてしまうから。 「・・・・・・」 俺は、そんな悲しそうな顔をしたメディスンを、黙って抱きしめた。 「あ・・・・・・」 俺の胸の中でくぐもった声を上げるメディスン。 今、彼女がどんな顔をしているのかは見なくてもわかる。 「いいんだよ・・・・・・これで」 俺は彼女を安心させるようにそっと言い聞かせる。 「だって、俺の居場所はメディスンの隣だけしかないんだから」 「・・・・・・」 メディスンの手に力がこもる。 俺はメディスンを抱いたまま空を見上げた。 どこまでも透き通る青い空の中、 メディスンと一緒の小さな人形がものすごい形相でこちらを見下ろしているのが見えた。 最後の一行が書きたくて書いた。 反省はしていない。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 347-351 347 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 15 45 21 [ OSORXhwg ] メディスンの頭を髪がクシャクシャになるくらいなでなでしてやりたい。 毒殺確定だろうけど。 348 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 31 22 [ QDasqbu6 ] ぜひ俺も加わらせてくれ。 そして何度も撫でるうちについに暗殺拳、毒手が完成! しかし鈴蘭ってそんなに有毒なんだろうか。 349 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 48 32 [ yI1tlVJs ] **毒/薬情報** 日本産/ドイツ産ともに有毒植物です。食べることはできません。 強心配糖体というコンバラトキシンやコンパロサイドを多量に含みます。強心・利尿の作用があり、大量に食べると血液の凝固がおきます。また心不全の状態になって死亡するといわれています。 薬用としては鈴蘭根(スズランコン)として、根を強心・利尿に利用しますが、扱いが難しく、家庭で使える薬草ではありません。 とか 鈴蘭をさしておいたコップの水を誤って飲んだ子どもが死んでしまった例もあるとか。 らしいよ。 花をも枯らす、毒手の拳~ 350 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 55 56 [ QDasqbu6 ] それほど強力だったのか。箸にしただけで人が死んだとかいうキョウチクトウみたいだ。 毒手が出来る前に手が骨まで腐るな。 めらんこ、怖ろしい子……。 351 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 58 43 [ yI1tlVJs ] 350 そんなことより 強心配糖体というコンバラトキシンやコンパロサイドを多量に含みます。 ここにもっと目を向けるんだ! コンパロサイド!コンパロサイド!コンパロコンパロ! 正直スマンカッタ ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 358 360 さて、今日も鈴蘭の咲く場所に来たわけだが……… 1・メディスンを探す 2・毒手の作成に精を出す 1の場合 「あ、いたいた。○○さーん」 こっちを見つけて向こうから駆け寄ってくるメディスン。 相変わらず猛毒の気配をビンビン漂わせているよ。側にいるだけで中毒死しそうだ。 「ねえねえ、この前のやって。お願い」 ああいいよ、と僕はポケットからべっ甲の櫛を取り出す。以前香霖堂で買ったやつだ。 「えへへ、早く早く」 満開の鈴蘭の中、ちょこんと腰を下ろしたメディスンの後ろに回って、その癖のある金髪を丁寧にとかしてやる。 最初は手櫛で梳くだけだったけれど、それじゃ味気ないから櫛を買って本格的にやることにした。 しっかりと跳ねたところを直して、最後にリボンを結んであげた。 「櫛くらい僕が買ってあげるし、女の子なんだから身だしなみはきちんとした方がいいと思うよ。これくらいは自分でやらなきゃ」 とかし終わってから言ってみると、メディスンは振り向いて照れたように言った。 「だめよ。これくらいは一人で出来るけど、○○さんにやってもらうからいいの」 「でも、体が人形だからって毎日ちゃんと手入れしないと」 「じゃあ、毎日ここに来てほしいな。私、楽しみに待ってるから」 やれやれ。そんなふうに無垢な笑顔で言われたら、そうするよりほかに選択肢はないじゃないか。 毒にも色々あるけれど、心を掴む毒は本当に振り払いようがないものだと僕は実感し、でもそれも悪くないと思った。 その毒の元凶が、こんな可愛い生きた人形ならば。 2の場合 「へえー、人間でも私みたいなことをするのね」 「そう。毒を直接手に染み込ませて、拳をより強力なものとする。これが毒手なんだ」 「私はもう全身にたっぷり染み込んでいるわ。毒と名の付くものなら何だって操れるんだから」 「さすがは妖怪だね。人間はこうまでしてもたいした威力にはならないよ」 僕は隣のメディスンに、今まで鈴蘭の毒が染み込んだ地面に突き刺していた右手を見せた。 あちこち地面の石がぶつかったらしく、切り傷が出来て血が流れている。 特に人差し指はひどい。指の真横に一筋に切れ込みが走っている。 「こうやって毒を染み込ませてから、腐らないように解毒しての繰り返し。もうしばらくかかるかな」 「ふーん。なら私も手伝ってあげようか?」 人間なんかたいしたことないわー、といたずらっぽく笑うメディスン。 「え? どうやって?」 メディスンは笑ったまま僕の右手を取ると、 「こうやって」 ぱくりと人差し指を口にくわえた。 「うっ…………」 指先を小さな舌が這う感触に、思わず腰が引けた。 最初は捨てられていたただの人形だったのに、いまは妖怪となっている。 そのためか分からないけれど、メディスンの口の中はあたたかくて湿っていて、人間のそれと全く変わらなかった。 「ん………ふっ………んんっ」 目を閉じたまま、一心に傷口を口で吸って、舌でなぞってなめて。 けれどもそれは、獣のように傷口をなめて癒すのではなく、むしろ毒を注ぐために。 なんとも言えない、快感とも危機感ともつかない感覚だった。 しばらくしてから、メディスンはおもむろに口を指から離した。 指先と口とを、透明な唾液が筋を引いて結んでから消えた。 「どう? 私の中にある毒を分けてあげたの。これで人間のあなたも少しは強くなれるはずよ」 無邪気に笑うメディスン。 「あ、ああ。……ありがとう」 まだ口の中と舌の温かくてぬめった感触が指に残っている。僕は曖昧に笑うのが精一杯だった。 けれども、僕が感謝したことにさらに気をよくしたのか、メディスンはまだ手を離さなかった。 そっと、顔を傷ついた腕に近づける。 「だったら、もっとしてあげてもいいわよ。この手、まだ傷が沢山あるし」 ……これは役得、って奴なんだろうか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 386 そういや昨日はバレンタインデーだったっけ。 鈴蘭畑に行ったらメディスンがいて、照れながら俺にチョコをくれた。 手作りみたいなんだが、味は…意外にもかなり美味かった。 チョコを食べながらメディの顔をチラッと見てみたら 「えへへ」なんて言いながら満面の笑顔を見せてたもんだから、急に愛しくなって 頭をしきりとなでなでして、抱き締めてほっぺにキスしてあげた。 その後は二人でしばらく話し込んでから帰った。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 399 夜、メディにネットで見かけた滅茶苦茶怖い話を聞かせてやった。 最初は面白そうに聞いてたけど、終いには怖くなったのか、泣き出してしまった。 「作り話だから」と言って必死に落ち着かせてから部屋に返そうとしたけど、 メディは部屋に入ろうとしない。 「一人で寝るの、怖いよ…」と涙目で訴えかけたので、その日は添い寝してやった。 ベッドの中でも、メディは俺にくっついたまま離れなかった。 今思うと申し訳ない事したかも。ごめんねメディ。 …俺もメディと一緒じゃないと眠れなかった。 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/game_staff/pages/211.html
福井 博幸 【ふくい ひろゆき】 KCE名古屋・取締役CS開発部部長 けっきょく南極大冒険 (MSX / KONAMI '1983) サブプログラマー 夢大陸アドベンチャー (MSX / KONAMI '1986) Director Main Programmer メタルギア (MSX2 / KONAMI '1987) Main Program スナッチャー (PC88 / KONAMI '1988) Sub Program スナッチャー (MSX2 / KONAMI '1988) Main Program ネメシス (GB / KONAMI '1990) Main Program メタルギア2 ソリッドスネーク (MSX2 / KONAMI '1990) Demo Programming ティーンエイジ ミュータント ニンジャ タートルズ (GB / KONAMI '1990) Main Program ネメシスII (GB / KONAMI '1991) Supervisor Game Design 大海靖夫、後藤保と共同。 Program 後藤保と共同。 ティーンエイジ ミュータント ニンジャ タートルズ2 (GB / KONAMI '1991) Supervisor Program Sakuchanと共同。 BATMAN The Animated Series (GB / KONAMI '1993) Production Director アウトバースト (GB / KONAMI '1993) Producer ゴッドメディスン ファンタジー世界の誕生 (GB / KONAMI '1993) Producer ティーンエイジ ミュータント ニンジャ タートルズ3 (GB / KONAMI '1993) Game Director 1993 タイニー・トゥーン アドベンチャーズ2 〜バスター・バニーのかっとびだいぼうけん〜 GB コナミ Producer H. FUKUI 1994 タイニー・トゥーン アドベンチャーズ3 〜ドキドキスポーツフェスティバル〜 GB コナミ Director ふくい ひろゆき Programmer ふくい ひろゆき 福井博幸, 岩碕一男 ちびまる子ちゃん めざせ! 南のアイランド!! (SFC / KONAMI '1995) プロデューサー 樹下國昭と共同。 1996 実況競馬シミュレーション ステイブルスター 〜厩舎物語〜 SFC コナミ プロデューサー 福井 博幸 麻雀MASTER N64 コナミ プロデューサー 福井 博幸 長江勝也, 福井博幸 悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲 (GB / KONAMI '1997) Producer がんばれゴエモン ~黒船党の謎~ (GB / KONAMI '1997) プロデューサー プログラマー 近藤誠と共同。 ゴッドメディスン 復刻版 (GB / KONAMI '1998) Producer 高気圧ボーイ (GB / KONAMI '1998) 手伝ってくれた人 悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲 (SS / KONAMI '1998) Producer がんばれゴエモン ~来るなら恋! 綾繁一家の黒い影~ (PS / KONAMI '1998) プロデューサー 実況GIステイブル (N64 / KONAMI '1999) プロデューサー ハイブリッドヘブン (N64 / KONAMI '1999) Special Thanks 参考 特許 「遊技機およびその制御方法」 特許 「遊技機」
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/160.html
■メディスン1 「それでねそれでね、人形の開放の次は世界征服してみようと思うの。 今年のスーさんの勢いならきっと夢じゃないわ」 一面の鈴蘭の中心で、彼女は瞳を大きく見開いて、楽しそうに笑っていた。 偶然この花畑に迷い込んでからもう数時間、僕は彼女の夢の語を聞いている。 「そうだね、ここの鈴蘭は本当に綺麗だよ」 「でしょー、そうでしょー、べラドンナも彼岸花もよかったけど、 やっぱりスーさんの毒が一番よね」 僕が話を真剣に聞いてあげると彼女はさらに嬉しそうに言葉を続けた。 初めて見たときの印象とは違って、意外にも人懐っこくて話好きの彼女。 この花畑からあまり出たことがないという彼女の話は、 幼い少女の夢のようにふわふわして、ちょっぴりスリルがあって、 そして純粋だった。 絶対に叶うと信じてるその大きな瞳を僕はずっと見つめていたくなる。 なんだかすごく、優しくなれる。 「それでね、スーさんの毒は心の毒なの。そういえば、仲間を見つけるには 人の心が解らないといけないって言われたわ。でも、どうしたらいいのかな? どうやったら人の心をつかめると思う?」 どうやら僕は鈴蘭の毒に心をやられてしまったらしい。 「メディスン、君は今僕と話していて楽しい?」 「うーん、そうね、こんなにスーさん以外とお話したの初めてなんだけど、 結構楽しいかもしれないわ。それに、スーさんとのお話とも少し違う感じ、 どうしてかはわからないんだけど・・・ね!」 頬に指を当てて少し思案してから彼女はまた僕に笑顔を向けてくれた。 いとおしい、自然と心が素直になれた。 「そうやって、まず自分が楽しいって気持ちを相手に伝えられたら、 きっと相手も君に心を開いてくれるよ。メディスンならきっと大丈夫」 「本当? そんなことでいいの? ・・・えっと、それじゃあなたも・・・ あなたも私に心を開いてくれる?」 ほんの少しだけ自信がなさそうに、彼女は下から僕を見上げた。 僕は彼女の頬にそっと手を当てた。 「もちろん、それどころかどうやら僕は・・・メディスン、君のことが好きに なってしまったみたいだ」 「え、え、好きって、それって、スーさんとどっちが・・・とかそういう」 戸惑う彼女の表情にそっと顔を近づけると、頬に優しくキスをした。 ほんの少し唇がしびれた。 「僕は君の夢をかなえてあげたい、君のために力になりたい、そして君に 恋する心を教えてあげたい、僕じゃ力になれないかな?」 彼女は自分の胸に手を当ててうつむいてしまった。 風が鈴蘭畑を揺らし、ゆっくりと時間が過ぎてゆく。 僕は静かに、優しく彼女を見守った。 やがて、少しだけ顔を上げる 前髪の隙間から瞳を覗かせ、小さな声で、けれどはっきりと 「・・・はい・・・教えてください」 思わず僕は彼女を抱きしめた。 少し強い風が吹いて、鈴蘭の花と小さな人形がいっせいに向こうを向いた。 もしかして気を利かせてくれたんだろうか? なーんて、 あぁもうメディスン可愛いよメディスンメディスン 1スレ目 184 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「それで、スーさんがね…」 何日目になるだろう―― 彼女と初めて出会ったのは 花々が咲き乱れた時だった。 彼女は月光に照らされながら鈴蘭畑けの中から 俺を見つけた。 妖しく、そして美しい笑顔だった。 俺はその瞬間、彼女に心を奪われていた。 それから数日、今もこうして彼女と話しをしている。 休む間もなく、いや、休む事も忘れて 俺は彼女と話しをしている。 「――それで、今年はスーさんがね、あれ?どうしたの?」 彼女が俺の異変に気づいた。 数日の間、俺は鈴蘭の畑にいた。 ――普段の彼女ならすぐに注意するだろう。 ――普段の俺なら鈴蘭畑けには近づかないだろう。 「あ…鈴蘭の…毒…」 どうやら原因に気づいたようだ。 彼女の顔が急に曇る。 だが、今更どうする事もできなかった。 俺は彼女の言葉を聞かなかったフリをし、 「気にしないでいいよ。 この所寝てなかったから 少し疲れただけだから。」 彼女が困った顔をする。 俺は、 「ずっと…言いたい事があったんだ。 最初にあった時…笑ってくれたよね。 君の笑顔が…月光に照らされた君の笑顔が… とても…綺麗で…その瞬間…好きになってしまったんだ。」 「え…?あ…え?」 彼女が困惑していた。 何を言っているのか 誰の事を言っているのか 俺はその問に答えるように 「メディスン…君の事が好きだ。愛している」 「!」 彼女は一瞬驚いたように、 そして、悲しい顔をして 「でも、私は人形よ…あなたがこんな状態なのに 泣く事もできず、あなたを傷つけていた事も分からない ただの意思を持った人形なのよ!」 彼女は寂しげに、そして悲しげに言った。 だけど 「確かに君は人形で…俺は人間だ… だけど…俺はメディスン… 君という[存在]を愛しているんだ。」 彼女はもう言葉にならなかった。 「そろそろ…眠くなってきたな。 少し眠らせてくれるかい?」 彼女はどうしようもない顔をして顔を横に振る だが、俺は続けた 「寝る前…お願いがあるんだ… 君の笑顔を…見せてくれないか? 君の最高の笑顔を…」 横になろうとする俺を彼女が抱えた。 ――彼女の腕の中 ――俺は朦朧とした意識の中 ――彼女の必死に作った笑顔を見た ――それが、俺の最後の記憶だった 「ねぇ、スーさん…」 動かなくなった俺を抱いてメディスンは 「私、好きだったの。初めて見た瞬間から… ねぇ、スーさん…」 瞳から月光に照らされて光る液体をこぼしながら 「これが…涙なのかな…これが…つらいって事なのかな… ねぇ、スーさん…」 メディスンは何度も何度も、 鈴蘭に自分が始めて体験した想いをぶつけた。 もう、動く事はない俺を抱いて、 月が妖しく照らす、鈴蘭畑の中で―― 初SSヽ(`Д´)ノ とりあえず「俺」を殺したかった。 思いは届けたけど悲しい結末ってのを作りたかった。 最初幽々様にしようかと思ったけど、 死んでも霊になって結局あんま悲しくナイシナー さらに人気あるからナー とか思いながら 184で 鈴蘭あったなぁと思い出し、 あ~…そういやルシオとかいたなぁ(てかこのネタ作る寸前VPしてた⊂´⌒つ。Д。)つ) って事で書いてみました。 あ、ちなみにメディスン好きですよメディスン 後日談が思い浮かんだけど、どうだろうなと。 この世界、死んでも冥界やら閻魔様やらいるからなかなか感傷に浸れないのが問題。 キーワード:鈴蘭、月光、死 1スレ目 363 ─────────────────────────────────────────────────────────── 363の続きみたいなもん ――走っていた ――鈴蘭畑を出て ――自分の事を好だと言ってくれた人を想いながら ――以前出合った人々(?)を頼りに 「私、まだ何も答えを出してない!」 初めは、閻魔の所にいった。 「なんだ。私の裁きを受ける気になったのか? 死んでも私の所にはこれないから 今のうちに――」 「お願い!」 そんな話しを聞く気は毛頭なかった。 「あの人を…あの人を生き返らせて!」 山田は、何の事か訳がわからないといった感じで 「とりあえず順を追って話してみなさい」 私は、覚えている事を全て話した。 ――何を話したのか憶えていない。 ――それは私の記憶の中で 「死んでいる人間を生き返らせるのは無理です。」 一言で返された。 「死んでいる人間に会う事も許されない、 現世と幽世の堺がなくなってしまうから。 彼は今頃、地獄での業を終え、 幽世に旅立っている頃でしょう。 だからあなたも彼の死後の幸福を――」 話しが終わるか終わらないかの所で私は飛び出していた。 「あんな人に頼ったのが間違いだったわ!」 脳裏に浮かぶのは鈴蘭畑に入ってきた兎達の事だった。 彼女達の上司(?)にあたる人が以前 薬について色々知っていたのを話した憶えがある。 「う~ん…死なない薬はない事もないけど 死んだ人を生き返らせる薬は…」 難しそうな、申し訳なさそうな顔で永琳が言う。 ――竹林を飛び回り、兎達が群れている所を見つけた。 そして、てゐを通じて永琳を呼び出した。 だが、彼女の口からは私の求めていた言葉は出なかった 私はその場を飛び出し、竹林を走った。 出口もわからずに―― 「待っていたぞ!」 急に呼び止められ、立ち止まる。 「満月の夜にくるとはいい度胸だ!」 そういえば今日は満月 「ちょっ、何を言ってるの?!」 だが返答むなしく 「あの人間には指一本触れせない!」 ――――戦闘が終わった 「くっ…」 彼女は傷ついた体をかばいながらも この先へ行かしてくれようとはしない。 「その人間が誰の事かは分からないけど あなたにも大事な人がいるのね…」 慧音はその言葉を聞き、少し考えて 不思議そうにたずねてきた。 「お前はキモ試しに来たのではないのか? 竹林の館から出てきた様だが…」 どうやら彼女は竹林の館から出てきた人は 皆その人間(彼女が守っているであろう)を狙う と勘違いしているのだろうか。 「私は、私の大事な人を生き返らせる方法を探しに来たの。」 そして慧音は改めて自分が間違っていると言う事を知り、 「そうだったのか。勘違いしてすまなかった。 だが、死者を蘇らせる反魂の法は禁忌だ。 私の力を使いその物の[死]を無かった事にしても 蘇りはしないだろう。」 謝り、話しを聞いた慧音でもどうする事もできなかった。 [死]…それは現世と幽世を隔てる絶対的なキーワード メディスンも[人間]ならば、 死ねば彼のいる幽世にいけるだろう。 [人間]ならば… 意思の持っている[人形]のメディスンは 幽世にいけるか分からない いや、山田が「私の所にはこない」と 言っていたので無理なのだろう。 慧音自身もそれが分かっているからこそ困っていた。 「そう、だ」 ふと、思い立ったように言う 「以前、幽霊と半幽霊が私の所に来た事があった。」 耳を疑った。 なぜ、幽世の者が現世にこれるのか―― それはどうでもよかった。 ただ、幽世の者が現世にこれると言う事は その逆も可能―― メディスンは慧音にその者とのコンタクトを取れる方法を尋ねた だが、慧音自身彼女らとのコンタクトの方法が分からなかった。 すぐさま永遠亭に引き返し、永琳達にも居場所を聞いてみたが 彼女達も襲われた側であり、こちらから出向いてはいないのだ。 結局有力な情報は得られなかった。 ――幻想郷を走り回った ――鳥…歌っていた ――⑨…バカ ――紅白…神社を紹介された ――メイド…見つけたと思ったら消えていた 仕方なく神社に来てみたが、そこでは宴会が繰り広げられていた 真ん中では鬼が何やらやっていたが、盛り上がる気はさらさらなかった。 紅白を見つけた 「なんでこんな所に呼んだのよ!」 いきなりたきつけた。 「あら。幽霊が見たいんじゃなかったっけ?」 霊夢が指を指した方角を見る。 するとそこには、幽霊がいた。 慧音が見れば分かると言っていたが本当だった。 人魂が浮いている 彼女達だ―― 「私を幽世に連れてって!」 いきなりの言葉に幽々子は 「いきなりねぇ。それに、 幽世にいきたいだなんて、 物好きねぇ」 あまり本気にしてもらえなかったのだろうか。 メディスンは経緯を説明し、再び幽々子にお願いをした。 「う~ん…幽世につれていくねぇ…」 少し困った表情で考えていた。 「あら、いいじゃないの。それぐらい」 そこにいきなり境目ができて、中から声がした。。 境目から妖怪が出てきて、メディスンに言う 「なんなら、私が送ってあげるわよ?」 紫の問いかけに 「本当?!じゃぁ…」 言い切らないうちに紫が 「ただし」 急に真剣な表情で 「幽世に行き、そこで幽世の者と接触した場合 決してこの世には戻せないわ。幽世の者との、 まして死んだ者との接触」 紫の話しに、 続けて幽々子が言う、 「私達みたいなのはいいんだけどねぇ… その[人]、普通の人でしょ? タブーを破った場合、魂が持たないわ。」 何を言っているのか分からないメディスンに、 幽々子がゆっくり説明する。 こちら側とあちら側との接触は本来あってはならない事 それを無視すると言う事は、世界のバランスを崩す事 幽々子ほどの力の持ち主ならば、その崩れたバランスから起こる 「歪み」に耐えれるが、 並の、ましてや只の[人]の霊では耐え切れないと言うのだ。 ――メディスンは黙る [あの人]に会いたい。 会って、あの事についての答えを出したい。 だが、人形独立の夢もあった。 ――周りでは宴会が繰り広げられている中、 その空間だけが、重い空気に包まれているようであった。 紫が口を開く。 「選びなさい。あなたの意思を。あなたの心を。」 そういって、境目を作る。 「ここを抜ければ幽世よ。 大サービスであなたの思っている人の所へ繋げてあげたわ。 行けば帰って来れない片道切符。行くかどうかは貴方次第よ。」 しばらくうつむいていたメディスンが、 決心がついた表情で、上を向く。 そして―― ――幽世 俺は死んでしまった。 後悔はない。 むしろ、想い人に自分の想いを伝えて死ねた。 それだけで満足していた。 そう思えば地獄の業も苦しくは無かった。 後は、転生を迎えるまでここで、 暮らしていくようだ。 桜の花も散り始め、毎日の日課である掃き掃除をしていた。 「あれからもう1年になるのか。」 俺が「死んで」から、もう一年たった。 想いを伝えた彼女は、今頃どうしているのだろうか。 人形独立は果たせたのか。 などと、彼女の事を考え、 最後に見せた笑顔を思い出し、懐かしむ。 「転生まで、後どんぐらいなのかな」 ポツリと言う。 転生してしまえば彼女の事も全て忘れてしまう。 「転生…か。嫌なもんだ。忘れるなんて、できないよな…」 涙がでそうになる。 ――数日間だけだが、話し、笑った彼女との思い出 「忘れるもんか…!」 そう、言葉が口から勝手に出た。 「じゃあ、転生しなければいいんじゃない?」 びくっとし、後ろを振り返ると 妙な境目ができていた。 「なんだこれ」 そっと近寄ると、 中からまったく知らない人が出てきた。 「あんた…誰?」 紫はムスッとした表情で、 「あんたとは失礼ねぇ。ほら。お届け物よ。」 妙な境目から何かが出てきた。 「な…」 ――俺の記憶の中にある、彼女 ――そんなはずはない…彼女は人形 ――決して幽世にはこれるはずがない… 「ほら。念願の夢が叶ったんだから、何かいいなさいよぉ」 彼女はうつむいたまま動かない。 「…」 言葉にならないとはこういう事を言うのだろうか。 俺は必死に涙をこらえながら彼女の近くに寄った。 その時、記憶の中にある[彼女]とそっくりな人形がぴくっと動いた。 うつむいていた顔を起こし、 そして、あの時の笑顔で、 「やっと会えた! あの時の答え、言いに来たよ 私ね…」 いい終わらないうちに、俺は彼女を抱きしめていた。 [なぜ][どうして]そんな事は関係なかった。 彼女は今俺の手の中にいる。 それが全てだった―――― 「行ったわね。」 宴会場で幽々子が言う。 「そうね。」 霊夢も落ち着いた感じで答えた。 「さて。そろそろ私達も帰るわね。 妖夢~そろそろ帰るわよ~ 明日から新しい庭師が増えるから 色々教えてあげるのよ~」 妖夢が聞いてないといった表情で 「幽々子様なんですかそれ~ 聞いてませんよ~」 妖夢が半べそかきながら帰っていく。 霊夢はふと思い立ったかのように 「今度、アリスにこの事話してみようかしら」 などと、アリスの反応を考えていた。 ――ここは幻想郷 ――現世と幽世と月と隙間とそれらが交差する世界 はい!終わり! え~後日談ていうかなんていうか。 これなかったほうがよかったかも⊂´⌒つ。Д。)つ ただ、前回あんま反応なかったからちょっとさびしかったり(´・ω・`) かなり変な設定いれまくってますが気にしないでください。 本当はいろんな人(妖怪)との話しをいれたかったけど… 紅魔もいれたかったけど長くなるし挫折_no その後のその後とかいらん気がしないでもない。 意味わからんし(゜∀。) あと花でおもっくそリリカと対戦してるの忘れててここ無視って下さい_no 最後はHAPPY(?)ENDで決めれたのが自分的にはよかったんじゃないかと。 何分始めてなんで無理やったりして自分的には楽しかったけど、 ぶっちゃけごめんなさい_no 1スレ目 383-385 ─────────────────────────────────────────────────────────── 454 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/19(月) 08 37 00 [ dIitvRwg ] 447 慧音とうどんと山田にヤラレタ あとスイカは最近、もう何しゃべっても致命打スレスレの俺がいる いきなり全員達成するとはすげーよGJ と思ったが、 俺の愛してるメディがいねぇorz チキショゥ 俺「嫁に来い」 メディ「ヨメって何?」 俺「とりあえずおいでよ」 メディ「う、うんじゃぁいってみる」 俺「実家が花屋です」 メディ「お嫁に参ります」 俺「今度中南米行くんだけど、ラフレシアって知ってる?」 メディ「つれてって!」 俺「化学者なんだ、君のためにありとあらゆる毒を合成してあげる」 メディ「うれしい! それじゃ…最初はまず、あなたの心の毒でしびれさせてもらおうかな?」 俺「君ひとり~? 友達ほしくない? 俺たちのサークルに入れば友達百人できちゃうよ?」 メディ「ほ、ほんと?じゃぁいく!」 俺「つりが趣味の社長です」 メディ「スーさん!」 俺「僕ちゃん顔がのびるんだょ~ん」 メディ「造物主さま!」 俺「コンパロ!」 メディ「コンパロ!」 俺「むらんげ!」 メディ「めろんげ!」 俺「こんなに暴走するくらい、お前のこと愛してる」 メディ「えええっと…はい…(上目遣いでテレながら」 ふぅ、勢いだけで暴走してもいまいちか…少し頭冷やしてくる。 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――目が覚めたら、そこには天使がいた。 「……あ、目が覚めたみたいね。スーさんの真ん中で気付くなんて、中々タフな人間みたい」 違った。天使じゃないみたいだ。羽根もないし、なにより服を着ていた。普通の女の子。……まあ、それくらい可愛いとは思うけれど。 身体を起こす。紫色のなにかが、体中にまとわり付いている。ゆっくりと身体を起こす動作にあわせて、はらはら、はらはらと舞い落ちて行くソレは、とても綺麗だと思った。 「ここは、どこだ?」 自分でも意識しない声がでた。不意に出した言葉というのは、実はなによりも的を得ているというが、実際そうだったと思う。こんな状況で判っても仕方ないが。 「ここはねー、スーさんの咲いている丘よ」 「スーさん?」 なんてこった。ここは釣りバカの聖地だったのか。 「スーさんっていうのはね。鈴蘭のスーよ。まあ、判らないで当然だわー」 ……とりあえずバカなことを考えた自分を殴っておいた。 目の前の女の子は、僕の挙行に不振な目を向けている。まあ、いきなり自分を殴る奴がいたら怪しいだろう。僕でもそんな目をする。 「まあ、それはともかく……そうか。ここは鈴蘭の丘ってことか」 立ち上がる。寝転んでいたときは気付かなかったが、女の子の背丈は僕の腰より少し高いくらいしかなかった。 辺りを見渡す。紫色の花弁が、これでもか、というくらいに咲きほこっていた。 思わず、見ほれてしまう。そのとき、女の子が声を上げた。 「ところで、人間さん。あなたはどこから来たの?」 「ん? 僕かい。僕は……」 答えようとして、言葉に詰まった。 なぜなら、おかしいことに気付いてしまったからだ。 僕は、……なことがあって、……逃げたくて、……それで、……遠くに。 そうだ。遠くに。遠くに行きたかった。自転車で――自分がたどり着ける限界まで走ったのだった。 それなのに。なんでこんなところで倒れている? 疲れて、意識がなくなった、だけならいいのだ。しかしその場合、僕の『近くに』自転車が倒れているはずなのだ。 さて、もう一回確認してみよう。僕の周りには、何がある? 「……?」 不思議そうな顔で僕を見上げる女の子。そして咲き誇る鈴蘭の花たち。 ――それしか、なかった。つまり、それは――。 「僕は、どこから来たんだ……?」 僕は、疑問を疑問で返す、という初めて会う女の子にたいして失礼極まりない行為をしてしまった。 「判らないの? 自分がどこから来たのか」 女の子は、なんだかとても不思議そうな目をしてこちらを見ていた。 「うん。全然判らない。なんでだろう?」 大変なことだと思う。記憶障害とかそういうものだろうか。しかし僕はなぜかあっけらかんとしていた。 それよりも――、そう、自分よりも。目の前の女の子が気になっていたのだと思う。 「どうしてなのかしら? 寝ている間に、スーさんにやられたのかしらね?」 こくん、と可愛らしく首をかしげる女の子。その仕草が、どこかで見たかのようで。 ――ねえ? それ、どういうことなの? ……ゃん―― 「まあ、どうでもいいや。ところで」 「どうでもいいんだ。人間ってそういうのこだわるかと……ううん、そうでもないか。紅白とか白黒とか」 紅白だの白黒だの、ちょっと気になったがまあいい。これも縁ってやつだろう、と気を取り直した。 「君の名前は? なんていうの?」 そう聞くと……女の子はニヤリ、と……本人はニヒルなつもりなのだろうが、残念なことに愛らしさしか伝わってこない笑みを浮かべ、恐らくは起伏があんまりないだろう胸を張って、声高に叫んだ。 「私は、メディスン・メランコリー! 未来の救世主よ!」 救世主、とかいうのになんだか変な感じがしたのだが……まあ、そんなものはどうでも良かった。 メディスン。いい名前だと思う。日本語に訳すると薬。とりあえずは僕にとってそうであると思う。 「そっか。メディスン……」 「ところで人間さん。どこから来たのか覚えていない、どこへ行くのかも知らない。そんなあなたは、これからどうするの?」 「あー……」 言われて気付いた。 僕はここにいたるまでの経緯も知らず、着の身着のまま、そして移動手段も徒歩しかない。 近くに町とかがあるのならばまだ違うのだろうけど……知らず知らず遠くに来ていたのか、ここは鈴蘭しかなく、遠くを見ても建物のたの字も無い辺境だった。 「どうしよう。……ところで。メディスンはここで何してたの?」 まさか、ここで暮らしているなんてことはあるまい、と思ったのだが。 「私? ここは私の住処だもの。だから、あなたがいて驚いたのだわ」 ……ここで。暮らしている。 女の子が。着の身着のままで。お花畑の中で。 なんだかそれは、恐ろしいほどの幻想(ファンタジー)だった。 「本当に……? 雨とか、つらくないの?」 そんな幻想に向かって、ついつい現実的な指摘をしてしまう。僕の悪い癖だ。僕は昔から、絵本とかに無意識に突っ込みを入れてしまう癖がある。それを話すと、大概現実的ね、と言われるのだが……僕自身は、そういう話が大好きなのだ。 「そうなの。だから、最近はちょっとした家を作ってみたのよ。永琳に教えてもらったの」 えいりんとは誰だろう、とは思ったがそれは今は重要じゃない。 とにかく、メディスンは雨の中ずぶ濡れにならないってことで、それはいいことだと思う。 「そうね。せっかくだから見せてあげる。私の家――自信作なのよ!」 「え、ちょ、ちょっとメディス――」 そういうが早いか、メディスンは僕の手を引っ張り、走り出した。 ……で。辿りついた先には。 「これが……えと。メディスンが作ったのかい?」 「そうよ。凄いでしょう? 丸三日かかったんだから」 えへん、と胸を張るメディスン。 僕はというと、目に映る光景に驚嘆を禁じえない状況だった。 メディスンが家、と言っているものは……本当に「家」だったのだ。 僕が知る限り、こんな本格的なものを作るのは職人くらいしかできないはずだ。それを、たった三日で作るなんて……なんて子なのだろう。 「これは……凄いな」 「そうでしょ? えへへ、もっと褒めてもいいわよ」 メディスンは、胸を張りながら嬉しそうに笑った。 華が咲くように笑った。どくん、と僕の心臓が跳ねた。 ――えへ。もっと、もっと褒めて。お……ゃん―― 「そうだ。せっかくだし、しばらく私の家にいてもいいわよ」 メディスンの言葉に、僕は喜――ぼうとして、押し留まった。 「その申し出は物凄くありがたいのだけれど……えっと、メディスンは、この家で、一人で、暮らしているんだよね?」 今までの事実、会話を照らし合わせれば僕の疑問は疑問ではなく事実確認にほかならない。 しかし確認しなければならなかった。 それは僕の数少ない男としての矜持……というやつである。といいなあ。 「当たり前よ?」 予想通り。メディスンは何を言っているの、といわんばかりの顔でこちらを見た。 ああ。判っている。判っているんだ。 でも、それでも、これだけは、これだけは確認しないといけないんだ。 「女の子が一人……その中に男が……」 「? そうなるけど、それがどうしたの?」 どうしたのときましたよこのお嬢さんは。 いや僕にやましい気持ちはない。英国紳士だって顔負けの紳士っぷりであるとご近所でも評判だった。 しかしだ。それでも……あれだ。世間体とかさ。あるじゃん、ねえ? しかも、この場合悪者になるのは僕だ。間違いなく。古来より、男と女が関わる不祥事では、男が負けるものと古の書物に書いてある。具体的には竹取物語とか。 「……ふんふん。判ったわスーさん、もう入れちゃうね」 僕が煩悶としていると、メディスンは傍らの小さい……なんだ、あれ?と会話しているみたいなそぶりを見せていた。 その所作に気付いたときには、僕の身体はメディスンによってずりずりと押されていた。 「な、ちょっと待てメディスン! 僕は入るとは言ってな――!」 「私が入れる。入れたいから入れるわ」 なんて我侭な! くそう、自慢じゃないが僕は押しに弱い(用法が違うが)。 このままじゃ、理不尽に中に入れられてしまうではないか! 「ん、ちょっと、やっぱりあなた大きい……んっ、ちょ、暴れないで、入らない……でしょ」 「……」 ぴたり、と僕は暴れるのをやめた。気持ち前かがみだけど。 ……ちょっと、自分が嫌になった瞬間だった。 メディスンがいなかったら、すぐさま傍らの鈴蘭にダイヴしていたと思う。車田落ちで。 「あら。おとなしくなったわねー。行くわよー」 「判ったよ。入るから。もう押さなくていいから……」 全く、小さいナリで自分ってものが強いな。 この年頃はそうであると思うけれど、この子は人一倍我侭だと思った。 ――ほぅら、私の言うとおりにして。じゃないと、お……ちゃんを嫌いになっちゃうわ―― 「いらっしゃい。私の家の、初めてのお客様!」 何故か一瞬揺れた頭を振って、僕はメディスンの家に上がった。 それから、流れるように時間が過ぎていった。 その中で、僕は、ここが自分のいた世界と違うこと。幻想郷と呼ばれる場所だということを知った。 なるほど確かに、あんなに鈴蘭が群生する場所など僕の世界には存在し得なかったし、僕の自転車がなかった理由もわかろうというものだ。 僕は、メディスンの家に住まわせてもらいながら、ずっとメディスンの……手伝いっぽいことをしていた。 っぽい、などというのは、メディスンは特にコレ、という仕事のようなものをしていなかったからだ。しかし、定期的に作った薬……僕にはなんの薬だかは教えてくれないが……を例のえいりん、とかいうひとに届けに行くようで、それを作るための草や道具を調達するのが僕の役目になっていった。 楽しかった。 今まで、そう、前の世界に居た自分の生活がかすんでしまうほどに……楽しかった。 メランコリーが傍に居て、メランコリーになる暇が無いほどあわただしく、楽しい、生活が続いた。 そんな中……僕は、えいりんさんに会えることになったらしい。何でも、メディスンが出先でことあるごとに僕のことを話していたらしい。 今日はその日だった。 「っで。いつ行けばいいのかな? っていうか僕はどうすればいいんだい?」 「今日はね、久しぶりに永琳から来てくれるの。だから、あなたはここに居ればいいわ」 とはいえ、初めて会う人だ。 メディスンから、色々と話は聞いているが……それでも初対面なのだ、緊張しないはずが無い。 確かそう、凄い美人で天才で凄い人らしい。全く緊張してしまう。……そうか綺麗な人なのか、そうかそうか。 「……」 「痛っ! ちょ、メディスン今僕の太腿つねっただろ!?」 「つーん。何もしてないわ。気のせいでしょ」 ぷいっと顔を背けるメディスン。 ズボンの中を見ると、太腿が青く変色していた。なんて力だ。というか僕が何をした。 「ふんだ。そんな顔じゃ、嫌われるもんねーだ。いつもいい顔じゃないけど」 「……言ったな。そら僕だっていい顔だとは思いあがってないが、ちょっと気に障るぞメディスン?」 「言ったわよ。鼻の下伸ばしちゃって、ばっかみたい」 「…………伸びてたんですか。僕」 「馬並みにね」 ……そら不味いわ。気付かせてくれたメディスンには感謝……なのか? いやでもなんでつねられる必要が? うーんと僕が悩んでいると、 「あらら。結構いい感じに出来ているじゃない」 玄関から――これだけで綺麗だと確信できる声が聞こえた。 「あ、永琳が来たわ。私、行ってくるね。あなたはここにいてちょうだい」 「え、あ、うん、判った」 メディスンは走っていった。埃が立つから室内では走るなとあれほど言っているのに、守ってくれやしない。 いつもいつも、返事だけはいいのだ。あとから注意しても、軽く笑ってごめんなさいと言うだけで――。 ――あ、あはは、ごめん、ごめんなさい~。次から、ちゃんとするから! ね、お……ぃちゃん―― 「お邪魔するわね」 「いらっしゃい、永琳! ようこそ、私の家へ!」 玄関から元気な声が聞こえた。そして、とたとたとこちらに走ってくる音と、ぱたぱたと上品な音が近づいてきた。 僕は、とりあえず居住まいを正した。 メディスンのときはいきなりだったからそうでもなかったが、僕は基本的に人見知りするのだ。 初めて会う人、なんて前置きをしたら、恐ろしく緊張してしまう体質なのである。 あ、なんかドキドキしてきた。 「こっちが、客間!」 「よく出来てるわね……あら」 「あ」 なんの前触れもなく、メディスンと……後ろに立つ人がえいりんさんだろう、がこの部屋に入ってきた。 「ほら、永琳。この人がいつも話してる――」 「え、え、ええと、はじめまして」 「ふふふ。はい、はじめまして。八意永琳よ。あなたのことはメディスンから聞いているわ」 前触れもなくはじめられた自己紹介も、流れるように、というより流されて行われてしまった。 衝撃が凄かった。それほどの美人だった。 昔読んだ小説に、光輝くほどの美貌、とかいう言葉があったが、まさにそれを体現していた。 浮かべられた微笑は慈愛に満ちているかのようで……ああ、これほど自分のボキャブラリーの貧弱さを嘆いたのは初めてだ。 「……ねえ! 私、お茶淹れてくるね!」 何故か大声で宣言し、メディスンは台所(当初はなかったが僕が作った)に歩き出した。 そして僕の傍を通るとき――これはわざとだ、確信できる――僕の足を思い切り踏んづけていった。 「……!!」 「……ふんだ。鼻、気をつけてね」 小声で呟いてメディスンは部屋を出て行った。 僕はというと、あまりの痛みに声すら出ない。僕が何をしたというのだ。鼻の下は伸ばしたかも知らんが、それでこの所業はきつすぎまいか。 「……ふふふ。仲良しね」 痛みがようやく和らいだ頃、永琳さんはそう言って微笑んだ。 なんというか……この様子を見て仲良しといえるのが凄いと思った。どっかズレてるんじゃないか。 「……はあ。仲は悪くないと思いますが」 そうでなきゃ、これまでやってこれなかっただろう。 つくづく、最初に見つかったのがメディスンで良かったとおもう。 「……ね。ちょっとあなたに言いたいことがあるの」 永琳さんは近づいてきた。 ……なんだなんだ。なんだこの展開は。10人男子がいたらおそらく十中八九は夢想する大人のお姉さんの誘惑って奴ですか? まあそれはないと思うけど! 「あなた……」 思い切り近くまで寄って、メディスンに聞かれたくないのだろうか、囁き声で。 僕はというと、緊張のあまり身動きすらとれなかった。 しかし。 「――あの娘から、離れなさい」 その言葉で。一気に現実まで……それどころか、心が身体に入るときに勢いが付きすぎたのか、衝撃まで受けていた。 「な――!」 「大きな声を出さない。気付かれてしまうわ」 「……っ」 「そう、それでいいの」 何を、言い出すんだ。この人は一体。 あの娘――メディスンと離れろ、だと? 「あの娘から聞いているかしら? あの娘は、人形なのよ?」 知っている。それは、はじめてあったあの日の、夜に聞いた。 驚いた。そらもう大層驚いた。が、それだけだ。 たとえ人形だろうとなんだろうと、動いて喋って考えて、『生きて』いる。 ならば、それはすでに独立した一人の『存在』だ。人形だろうと何だろうと関係ない。 「メ――」 「そう。その気持ちは立派。とてもとても立派。だからこそ、あの娘はあなたと一緒に居るのでしょう。しかしね」 永琳さんは、僕の気持ちを見透かしたかのように――いや、実際見透かしているのだろう。 今初めて向き合ったが、この人の瞳は昏く昏く、どこまでも吸い込む闇のような目だった。 それに見つめられている、その事実だけで震えが走る。しかし、負けるわけにはいかないのだ。 だって、僕は――。 「その気持ちは真実? その気持ちは純粋? ……あなたのその気持ちは……『誰に向けたものなのかしら』?」 揺さぶられた。 心、身体、たましい、――僕という、『存在』全てが。 「あ、あああ、あ――」 「その気持ちが真実で無いのなら。『代用品』であるのなら。そうではないと言い切れないのなら。今すぐここから消えなさい――」 そう言って。僕の頭を、両手で掴んだ。 「これはサービスよ。『本当の相手を思い出させてあげるわ』」 ずどん、と。僕の頭に、柱が打ち付けられたような痛みが走った。 ――ね。聞いてくれる? 私ね、『お兄ちゃん』のことが、大好きだよ―― うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! 「お兄ちゃん。こっちだよ」 「ちょ、ちょっと待てよ」 走る妹のあとを追いかける。 小柄なくせに、いや小柄だからこそなのか、妹はすばしっこい。 しかも、女の子のくせに男顔負けの冒険好きだったりするのだ。全く、なんでこんな娘になったんだろう。 それでいて、なんでだか知らないが……いつも一体の人形を持ち歩いている。変なところだけ女の子っぽいのだ。 『なんだ。これは。』 今日は、積み上がった資材置き場。廃材が入り組んで自然の迷路を作った場所に来た。 っというか、連行された。そこそこいい年になってきたんだから、兄貴離れくらいしろよ……とも思うが。その一方で嬉しいと思うのだ。全く、こんなことだから妹離れができやしない。僕は内心で溜息をついた。 『あの日。あの日。あの日の、記憶――。』 廃材の迷路。駆け抜けた先に、光が見えた。 ようやく空が見えるのか。妹のサイズなら悠々と歩けるとはいえ、僕とは相性が悪い。常にかがんで歩かねばならないのだから、天井ともいえるものがなくなるのはありがたい。 「出口、やったね! お兄ちゃん!」 「あー、そうだね。早く抜けたいよ僕は」 妹は、見えた穴から外に出た。その穴は、妹ですらかがまないと入れないくらい小さい。 まあ、こういうことも沢山あった。なので素早く四つんばいになってその穴を抜けた。服が汚れるが……その件に関して僕の両親はもう諦めているので問題ない。……いや、あると思うがなないと思い込んでおく。 その先には。 「わあ……すごい、お花畑になってるよ……」 「おおお、すごいな、これは」 一面の花が。咲き誇っていた。 ひゅうと、風に揺られて、沢山の花弁がいっせいにこちらを向いた。あまりにタイミングが揃いすぎていて笑ってしまった。 「ひゃっ!」 妹は、急に声を上げて、飛び上がった。 「なんだ、どうした?」 「背中……何か入った!」 妹の服を覗き込む。そこには、さっきの風で舞い上がったのだろう、花びらが何枚か入っていた。そんなものでも不意をつくと驚かせられるんだな、と思うと微笑ましくて……笑いながらとってやった。 「もう……お兄ちゃん、笑っちゃダメよ!」 「ああ、悪い悪い」 「……て、あっ!」 もう一回声を上げる妹。その視線の先は……ころころ、と転がっていく……いつも持っていたあの人形。 花のせいで気付かなかったが、ここはなだらかな斜面になっていたのだ。 「ま、待って!」 妹はそれを追いかけていく。僕も、一人にしては大変だと……後をおった。 『ああ。ああ……思い出してしまう。やめてくれ、やめてくれ。』 急に途絶える花畑。透き通る蒼い空。 そこには――『何もなかった』。ただ、ただ――切り立った崖があるだけで――。 「――え?」 僕の声は、非常に間が抜けていたと思う。そして人事のように聞こえたのだ。 現実が直視できず。現実を認識できず。 そこに、妹がいないことが。僕を目覚めさせて――。 『やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』 血だらけの妹。焦点の合わない瞳。どこかに伸ばされた手。呟かれる言葉。 人形。あれは僕があげたもの。だからいつも持っていた。なんで。どうして。 好きだから。僕のことが。お兄ちゃんが好きだからお兄ちゃんがくれたものだから お兄ちゃんが好きだったでもこれじゃもうだめだよみえないさよなら――。 バツン。モニタの寿命が切れたテレビのように、映像は――記憶は途絶えた。 「――あ」 気が付けば。僕は天井を見ていた。 そこは知らない天井じゃない。一人で暮らしていたくせに広く作りすぎたゆえに最初から用意できた、メディスンが作った僕の部屋だ。 鈍痛がする。頭の中に鈍い痛みが充満していた。 視線を巡らせる。すると、すぐ傍に――人の、いや人とはちょっと違う気配を感じた。メディスンだ。 何か、言わないと……。僕は頭痛を抑えながら上半身を起こそうとした。 「……、っ、起きた、の?」 メディスンの声が、様子が、おかしい。 耳を澄ませると、ぽた、ぽた、と音がする。鈍痛に打ち負けて視線が下がる。床には、そう、『まるで今さっき水滴を落としたような』染みが広がっている。 「……うん。今、目が覚めた」 でも。僕はそれについて言及することは出来ない。出来るはずがなかった。 形容しがたい痛みに耐えて、身体を起こす。 暗さになれた目は――、俯いて、時折しゃくりあげるメディスンを僕の網膜に映した。 しばし、この空間が沈黙で支配された。 こんなことはなかった。今まで――メディスンと一緒に居て、こんな静かな時間はなかったのだ。それを考えると、今がどんなにおかしいことか。 でもそれは、きっと、いや、確実に僕のせい。僕の犯した罪が――こんな時間を作り出している。 やがて。それを打ち破ったのは。 「……答えて」 メディスンの声だった。 その声色は、今までのメディスンとは違う……冷えて、固く、重かった。 僕は、その問いに……頷くしかなかった。それ以外を選択する術などないのだから。 「あなたは……私を見ていたの? ううん……『誰を見ていたの』?」 判っていた。そういわれることは……理解していた。 でも。それでも――僕の胸に衝撃が走った。さっき……僕の感覚ではさっきだ……永琳さんに記憶を呼び覚まされたときの衝撃よりも大きい衝撃が、走った気がする。 「……ああ」 それは。恐ろしく単純で。恐ろしく、彼女を冒涜した行為――。 「僕は。きっと、妹を君に見ていたんだ」 自分の罪を。懺悔をするかのように、告白した。 途端――。 「ふざけないで――!」 きっ、と。今まで伏せられていたメディスンの顔が上げられた。 その瞳には、悲しみ、苦しみ、怒り、敵意、――考えうるかぎりの負の感情が宿っていた。涙は滝のように溢れ、目は真っ赤に腫れ上がり――。 「私は、あなたのための人形じゃない! あなたの都合のいいように作られた人形じゃない! あなたの操り人形じゃない! 代わりの為に作られたヒトガタじゃない――! 私は、メディスン・メランコリー! 人形なんかじゃ――ない!!」 叫び声を上げた。それは、悲鳴に近かった。 ああ。僕は……なんて罪を犯してしまったのだろう……。彼女に。何よりも純粋な生そのものの彼女に。 ヒトの――穢れを押し付けてしまったのだ――。 ああ、ああ。でも。僕はそれでも……君が好きなんだ。 あのとき言えなかった台詞。言おうとして……自分の心にしまってしまった台詞。 最初は、彼女の中に妹を見ていた。だからこそ、そう、だからこそ。『最初にあったとき、僕は自然に接することが出来た』んだ。 でも。その気持ちが……変わっていくのはそう時間が掛からなかったと思う。自分でも良く判らない。 「何か、何か言いなさいよ! ……言ってよ、お願い……」 メディスンが泣いている。僕はどうすればいいのだろう。謝っても、何も解決しやしないのは自明だ。 この気持ちを伝える? 馬鹿な。そんなことをしても――信じてくれやしないだろう。仮に信じてしまったとしても、メディスンの中に負い目が出来るのは間違いない。 それは僕の望むところではない。だって、僕がメディスンに惹かれたのは――その、純粋さなのだから。 心の思うままに笑う、それは僕にはなかったこと。その姿に、僕は惹かれたのだ。 そんな、そんな姿を――穢す事なんて。僕には出来そうも無くて――。 そのとき。目の前を、ふよふよと飛ぶ何かが見えた。それは、いつもメディスンの傍に居た、そうだ、スーさん。彼女は……僕を責めるかのように、顔の目前でくるくると回っていた。 ああ。そうか。やっぱり、僕は罪人なのだ。 認めてしまった瞬間……僕の右手は開かれた……。起きてからも、ずっと意識せずに固く握っていたソレの中には、一錠の錠剤がある。 これは、あの時――。永琳さんに持たされたものだ。そう。自分の罪を認めたのなら、『自分が消えてしまえるように』――。 まるで覚えてやしないのに、フラッシュバックする記憶。そういう、術だったのだろうか。 消えてしまえばいいのだ。自分の犯した罪に耐え切れず、逃げ出してしまった僕は――もっとはやくにこうするべきだったのだ。 僕のせいじゃないと。周りの大人たちは言ったけれど。それでも違う。僕がもっと自覚していれば、ああはならなかったはずだから。 かたかたかた。指が震える。それはなんだろう、恐怖なのだろうか。今この状況ですら、死に恐怖を感じる自分自身に、怒りすら覚えた。 「……! もしかして……!」 メディスンが、僕の手にあるものに気付いたみたいだ。 止められるわけにはいかない。これは僕のけじめだから。 ありがとうメディスン。こんな僕を、罪まみれの僕を好きになってくれてありがとう。 ああ。でも。やっぱり、僕は愚かだ。最後の最後に、君に呪詛を残してしまう。純粋な君を――穢してしまうのか。 「ごめんよ。僕は……愚かだった。僕の犯した罪は消えないけど、謝るしか出来ない……ごめん。そして……ありがとう。僕は、メディスンのことが、」 右手のそれを一気に口に運んだ。躊躇なんて、すでに吹き飛んでいた。 最後に。メディスンの顔を――笑顔でないのが残念だけれど――目に焼き付けた。 「大好きだよ」 ごくんと。それを飲み込んだ。 途端に――意識はシャットダウンした。 ――……………ないで―― 聞こえる声。僕は何をしていたのだっけ? ――わ…………ないで―― とても大切なものだったと思う。その声が、大切だった。 ――わ………てないで―― ああ。なんで僕はまだ僕のまま、この声を聞いているんだろう。 ――わた……てないで―― どうでもいい。その声が泣いているように聞こえたから。僕は、その声の持ち主を泣かせたくなくて――。 目を、開いた。 「捨てないで……私を、捨てないでよう……行かないで……行かないで……」 そこでは。僕の身体にしがみついて、泣きじゃくるメディスンが居た。 身体はぐったりして……今にも倒れてしまいそうな、憔悴した表情で。 「……メディスン!? 何を、何をして……げほっ!」 声を張り上げたつもりだったのに、身体が言うことを聞かなかった。これがあの薬の代償なのだろう。 それでも、少しずつ、少しずつ、身体に溜まった何かが抜けていく感覚がする……。 「……目、覚めた? 良かった」 辛そうな顔を隠そうと、笑顔を作ろうとしているメディスン。見ていられなかった。これがみんな僕のせいなのだ。 ああ。どうして、僕は何をしても彼女を苦しませてしまうのだろう……。 「僕は……」 「いいの」 メディスンは、僕の言葉をさえぎった。そして今度は本当に、笑顔になって……。僕に向かい直った。 「今、わかった。あなたが、本当に私を想ってくれた事。そして、私もあなたが好きだってこと」 「え……」 放たれた言葉は、僕にとって予想外で。 でも本当に嬉しい言葉で。でも……僕が受け取ってもいいものなのだろうかと、不安になってしまう。 「でも、僕はまだ割り切れていないんだ。またメディスンを怒らせてしまうかもしれない……」 「忘れた? 私は毒を操るのよ……。あなたのこころに、さっきみたいな自暴自棄の毒が溜まってしまったなら……私が抜き取ってあげる」 「毒……? どうやって、とるんだい?」 「こう、するんだ」 不意に。僕の唇にちいさな唇が触れた。 「……ふふふ」 ぽかん、と馬鹿面を下げている僕に、小さなスイートポイズンは笑って、こういった。 「これから、私の魅力って毒であなたの身体を一杯にしてあげるもの。私以外のこと、考えられないようにしてあげる」 ああ。僕って奴は本当に馬鹿だ。大事な女の子を不安にさせて、泣かせて、挙句こんなことさえ言わせて。 でも、これから先は。彼女を大事にすると誓おう。彼女の純粋さを。この笑顔を、ずっと見ていくために。 「大好きだよ。メディスン――」 1スレ目 600 ─────────────────────────────────────────────────────────── 白と緑の海。 名も無き丘の名も無き花畑。 たくさん咲き乱れるスズランの中、俺とメディスンは並んで寝転んでいる。 俺もメディスンも何もしゃべらないし、視線を横に動かすことも無い。 どちらかがもう眠ってしまったのかもわからない。 でも、お互いの手はしっかりつながれている。 愛しい人とのつながりが、ちゃんとある。 メディスンの手の感触・・・・・・温かい。 人形にも体温がちゃんと体温があるんだな・・・。 「ねぇ?」 声。 その声に振り返ると、メディスンがこちらを見ているのがわかった。 「本当によかったの?」 その声は少し不安げな声色だった。 その瞳は少し悲しそうな色をしていた。 「私と一緒にいること・・・・・・」 「・・・・・・」 ここはスズランの花畑。 スズランには毒があり、俺はすっかりその毒に当てられてしまった。 身体のほうは問題ない。 最初のうちはしょっちゅう体調不良を起こしていたが、今ではすっかり慣れてしまった。 だが、それがいけなかった。 スズラン畑に長くいたおかげで、俺の身体にスズランの毒の香りがしっかり染み付いてしまったのである。 そのおかげで、俺はメディスン以外のほかの誰かに近づくこともできなくなっていたのだ。 近づけば近づくほど、その人をスズランの毒で蝕めてしまうから。 「・・・・・・」 俺は、そんな悲しそうな顔をしたメディスンを、黙って抱きしめた。 「あ・・・・・・」 俺の胸の中でくぐもった声を上げるメディスン。 今、彼女がどんな顔をしているのかは見なくてもわかる。 「いいんだよ・・・・・・これで」 俺は彼女を安心させるようにそっと言い聞かせる。 「だって、俺の居場所はメディスンの隣だけしかないんだから」 「・・・・・・」 メディスンの手に力がこもる。 俺はメディスンを抱いたまま空を見上げた。 どこまでも透き通る青い空の中、 メディスンと一緒の小さな人形がものすごい形相でこちらを見下ろしているのが見えた。 最後の一行が書きたくて書いた。 反省はしていない。 2スレ目 169 ─────────────────────────────────────────────────────────── 347 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 15 45 21 [ OSORXhwg ] メディスンの頭を髪がクシャクシャになるくらいなでなでしてやりたい。 毒殺確定だろうけど。 348 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 31 22 [ QDasqbu6 ] ぜひ俺も加わらせてくれ。 そして何度も撫でるうちについに暗殺拳、毒手が完成! しかし鈴蘭ってそんなに有毒なんだろうか。 349 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 48 32 [ yI1tlVJs ] **毒/薬情報** 日本産/ドイツ産ともに有毒植物です。食べることはできません。 強心配糖体というコンバラトキシンやコンパロサイドを多量に含みます。強心・利尿の作用があり、大量に食べると血液の凝固がおきます。また心不全の状態になって死亡するといわれています。 薬用としては鈴蘭根(スズランコン)として、根を強心・利尿に利用しますが、扱いが難しく、家庭で使える薬草ではありません。 とか 鈴蘭をさしておいたコップの水を誤って飲んだ子どもが死んでしまった例もあるとか。 らしいよ。 花をも枯らす、毒手の拳~ 350 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 55 56 [ QDasqbu6 ] それほど強力だったのか。箸にしただけで人が死んだとかいうキョウチクトウみたいだ。 毒手が出来る前に手が骨まで腐るな。 めらんこ、怖ろしい子……。 351 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/02(木) 23 58 43 [ yI1tlVJs ] 350 そんなことより > 強心配糖体というコンバラトキシンやコンパロサイドを多量に含みます。 ここにもっと目を向けるんだ! コンパロサイド!コンパロサイド!コンパロコンパロ! 正直スマンカッタ 3スレ目 347-351 ─────────────────────────────────────────────────────────── さて、今日も鈴蘭の咲く場所に来たわけだが……… 1・メディスンを探す 2・毒手の作成に精を出す 1の場合 「あ、いたいた。○○さーん」 こっちを見つけて向こうから駆け寄ってくるメディスン。 相変わらず猛毒の気配をビンビン漂わせているよ。側にいるだけで中毒死しそうだ。 「ねえねえ、この前のやって。お願い」 ああいいよ、と僕はポケットからべっ甲の櫛を取り出す。以前香霖堂で買ったやつだ。 「えへへ、早く早く」 満開の鈴蘭の中、ちょこんと腰を下ろしたメディスンの後ろに回って、その癖のある金髪を丁寧にとかしてやる。 最初は手櫛で梳くだけだったけれど、それじゃ味気ないから櫛を買って本格的にやることにした。 しっかりと跳ねたところを直して、最後にリボンを結んであげた。 「櫛くらい僕が買ってあげるし、女の子なんだから身だしなみはきちんとした方がいいと思うよ。これくらいは自分でやらなきゃ」 とかし終わってから言ってみると、メディスンは振り向いて照れたように言った。 「だめよ。これくらいは一人で出来るけど、○○さんにやってもらうからいいの」 「でも、体が人形だからって毎日ちゃんと手入れしないと」 「じゃあ、毎日ここに来てほしいな。私、楽しみに待ってるから」 やれやれ。そんなふうに無垢な笑顔で言われたら、そうするよりほかに選択肢はないじゃないか。 毒にも色々あるけれど、心を掴む毒は本当に振り払いようがないものだと僕は実感し、でもそれも悪くないと思った。 その毒の元凶が、こんな可愛い生きた人形ならば。 2の場合 「へえー、人間でも私みたいなことをするのね」 「そう。毒を直接手に染み込ませて、拳をより強力なものとする。これが毒手なんだ」 「私はもう全身にたっぷり染み込んでいるわ。毒と名の付くものなら何だって操れるんだから」 「さすがは妖怪だね。人間はこうまでしてもたいした威力にはならないよ」 僕は隣のメディスンに、今まで鈴蘭の毒が染み込んだ地面に突き刺していた右手を見せた。 あちこち地面の石がぶつかったらしく、切り傷が出来て血が流れている。 特に人差し指はひどい。指の真横に一筋に切れ込みが走っている。 「こうやって毒を染み込ませてから、腐らないように解毒しての繰り返し。もうしばらくかかるかな」 「ふーん。なら私も手伝ってあげようか?」 人間なんかたいしたことないわー、といたずらっぽく笑うメディスン。 「え? どうやって?」 メディスンは笑ったまま僕の右手を取ると、 「こうやって」 ぱくりと人差し指を口にくわえた。 「うっ…………」 指先を小さな舌が這う感触に、思わず腰が引けた。 最初は捨てられていたただの人形だったのに、いまは妖怪となっている。 そのためか分からないけれど、メディスンの口の中はあたたかくて湿っていて、人間のそれと全く変わらなかった。 「ん………ふっ………んんっ」 目を閉じたまま、一心に傷口を口で吸って、舌でなぞってなめて。 けれどもそれは、獣のように傷口をなめて癒すのではなく、むしろ毒を注ぐために。 なんとも言えない、快感とも危機感ともつかない感覚だった。 しばらくしてから、メディスンはおもむろに口を指から離した。 指先と口とを、透明な唾液が筋を引いて結んでから消えた。 「どう? 私の中にある毒を分けてあげたの。これで人間のあなたも少しは強くなれるはずよ」 無邪気に笑うメディスン。 「あ、ああ。……ありがとう」 まだ口の中と舌の温かくてぬめった感触が指に残っている。僕は曖昧に笑うのが精一杯だった。 けれども、僕が感謝したことにさらに気をよくしたのか、メディスンはまだ手を離さなかった。 そっと、顔を傷ついた腕に近づける。 「だったら、もっとしてあげてもいいわよ。この手、まだ傷が沢山あるし」 ……これは役得、って奴なんだろうか。 3スレ目 358 360 ─────────────────────────────────────────────────────────── そういや昨日はバレンタインデーだったっけ。 鈴蘭畑に行ったらメディスンがいて、照れながら俺にチョコをくれた。 手作りみたいなんだが、味は…意外にもかなり美味かった。 チョコを食べながらメディの顔をチラッと見てみたら 「えへへ」なんて言いながら満面の笑顔を見せてたもんだから、急に愛しくなって 頭をしきりとなでなでして、抱き締めてほっぺにキスしてあげた。 その後は二人でしばらく話し込んでから帰った。 3スレ目 386 ─────────────────────────────────────────────────────────── 夜、メディにネットで見かけた滅茶苦茶怖い話を聞かせてやった。 最初は面白そうに聞いてたけど、終いには怖くなったのか、泣き出してしまった。 「作り話だから」と言って必死に落ち着かせてから部屋に返そうとしたけど、 メディは部屋に入ろうとしない。 「一人で寝るの、怖いよ…」と涙目で訴えかけたので、その日は添い寝してやった。 ベッドの中でも、メディは俺にくっついたまま離れなかった。 今思うと申し訳ない事したかも。ごめんねメディ。 …俺もメディと一緒じゃないと眠れなかった。 3スレ目 399 ─────────────────────────────────────────────────────────── ある日のことだ。 竹林の永遠亭に、○○という男が拾われてきた。 この○○なる人物、『外』の世界の住人らしく、拾われてきた当初は目を白黒させていたが、 幻想郷においてはそれなりに常識の通じる永遠亭のおかげか、しだいに『こちら』へなじみ始めた。 てゐに騙され、鈴仙の手伝いをし、永琳の新薬の実験台になり、輝夜の遊び相手になる。 そんな日々を送っていたある日の事である。 ○○は永琳の外出の共をした時に一人の少女に出会う。 名はメディスン・メランコリー。 自己紹介しあった直後に○○は意識を消失した。 どうやら彼女の領域の毒にあたったらしい。 出会いとしては最悪の部類である。 だがその後○○は足繁く名も無き丘に通い、メディスンに話しかけるようになる。 一目惚れであった。 さて、人形解放を唱えるメディスン・メランコリーではあるが、好意をもって接されれば悪い気はしない。 メディスンは鈴蘭の中、○○はそこから随分離れたとこからの、会話というよりは掛け声のかけあいのようだったが。 そんな状況が二週間ほど続いたある時、○○はふと、気付いた。 何だかもう二三歩メディスンに近づいても大丈夫そうだ、と。 そうして○○は時を重ねるごとにメディスンへの距離を物理的にも精神的にも詰めていった。 そして○○が鈴蘭畑の外縁まで近づけるようになった頃、異変が起こり始めた。 永遠亭の構成員である因幡たちの一部が、頻繁に永琳の下へ通うようになったのだ。 診断を行えば、いずれも軽度のめまいなどで、重症になりそうな兆候もなかったので、 彼女はよく睡眠をとる様にと注意をするに止めた。 後付で考えるならば、この時めまいの原因を突き止めていれば○○を襲った悲劇、或いは喜劇は回避できたかもしれない。 だが、いくら天才だからといっても、めまいが起こるようなったのは○○とすれ違ったから、というのを見抜けというのは酷であろう。 さて、○○は無名の丘へ出かける以外の時間はなにをしているかというと、 てゐに騙され、鈴仙の手伝いをし、永琳の新薬の実験台になり、輝夜の遊び相手になっているのである。 そんなある日、永琳は○○に「彼女とはどこまでいってるのかしら?」と尋ねた。 永琳としてはからかうつもりの言葉であったが、○○は勇んで応えた。 「ああ、もう畑の真ん中で話せるくらいになりましたよ」 この答えに永琳は刹那ほど固まると、そう、と答えた。 そして天才である彼女は○○に起きている変異を彼に告げた。 あなたは毒を体とする妖怪になりつつある、と。 所詮生まれたて、否、生まれつつある妖怪の毒など、 蓬莱人である永琳や輝夜、強力な妖怪であるてゐと鈴仙、長い年月を経た妖怪因幡には効かない。 極一部の若輩者には効いたが、それとてめまい程度。 だから、誰も気付かなかった。 そしてほんの少しの年月がたった。 ある日半獣の守る人里に一つの噂が流れ始めた。 満月の夜に無名の丘へ近づくと、 鈴蘭の中でしか生きられなくなった人間と、 鈴蘭の中から生まれた人形がいつまでもいつまでもよりそっているのが見える、と。 うpろだ263 ─────────────────────────────────────────────────────────── 〇〇が憎い、大嫌いだ。 私を好きだと妄言を吐く、人形達を裏切り続けた人間達と同じ、エゴを丸出しにした甘い言葉を紡ぐ声が嫌いだ。 愛情たっぷりに私の髪を撫でる暖かい手が、大嫌いだ。 どうせ、人間はその手の平を返すんでしょう? 私を見て、優しく微笑む目が憎たらしい。 それは、どうせ嘲笑にすり変わるのだから。 〇〇の全てが私に愛を伝えるたび、それがたまらなく憎かった。 人間は裏切るのだから。 〇〇は、裏切らなかった。 鈴蘭の毒に当てられて、その命が燃え尽きるまで私に愛を囁き続けた。 〇〇が私を裏切ったのは、私の予想だけだったのだ。 憎くて仕方がなかったはずなのに、ガラスの瞳からは毒の涙が溢れ、〇〇を濡らした。 物言わぬ人形となった〇〇を、いやそれ以前の〇〇も、今は愛している。 10スレ目 567 ─────────────────────────────────────────────────────────── 無名の丘でメディと抱き合って暖め合いたい ○○「クリスマスには何が欲しい?メディ」 メディ「うーん…何もいらないわ」 ○○「えぇ、どうしてさ?遠慮しなくていいのに」 メディ「だって、プレゼントされるものもメディと同じ人間が作った道具にすぎないわ。 一方的に人間の感情をこめられたものをもらうのは昔を思い出すからイヤなの。」 ○○「…そっか、ゴメンねメディ。じゃあ、プレゼントは僕自身なら問題ないよね。」 メディ「そうねー、○ーさん自身なr…って、ええぇ!?」 ○ー「これなら道具に感情をこめる必要はないし、なによりずっとメディのそばにいることが出来る。」 メディ「それって……どういう…」 ○ー「メディ、いままでちゃんといえなかったけど僕は人形としてではなく一人の女の子としてメディのことを愛している。 いままでもそうだったけど、これからはもっとたくさんいろんな所へ出かけたり、いろんな物事を見て、時には一緒に泣いたり、笑ったりして一緒に暮らして行こう。」 メディ「ぁ・・・はい。」ギュッ) メディのSSがあまりにも少ないから我慢できずに自分で書いた。 こんなやり取りをしながら二人だけの無名の丘で抱きしめあうんだよ。 メディスン・メランコリーの「メ」は「愛でる」の「メ」なんだっ! だから、正しくは「愛ディスン・愛ランコリー」って表記するんだよ!! 11スレ目 449 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/allgames/pages/27.html
ガイアマスターDUEL カードアタッカーズ カエルの為に鐘は鳴る かこむん蛇 カットビロード カプコンクイズ ハテナ?の大冒険 ガメラ 大怪獣空中決戦 からくり剣豪伝ムサシロード カラムー町の大事件 カラムー町は大さわぎ! 〜ポリンキーズとおかしな仲間たち〜 カルトジャンプ かわいいペットショップ物語 かわいいペットショップ物語2 カンヅメモンスター カンヅメモンスターパフェ がんばれ!ニッポン!オリンピック2000 がんばれゴエモン 〜もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!〜 がんばれゴエモン 〜星空士ダイナマイッツあらわる!!〜 がんばれゴエモン さらわれたエビス丸 がんばれゴエモン〜黒船党の謎〜 がんばれゴエモン〜天狗党の逆襲〜 カード・ゲーム カードキャプターさくら 〜いつもさくらちゃんと一緒〜 カードキャプターさくら 〜友枝小学校大運動会〜 カービィのきらきらきっず カービィのピンボール カービィのブロックボール カーブノア きかんしゃトーマス ソドーとうのなかまたち きせかえハムスター きせかえ物語 キッチンパニック キテレツ大百科 冒険大江戸ジュラ紀 キャデラックII キャプテン翼J 全国制覇への挑戦 キャプテン翼VS ギャラガ ギャラクシアン キュービリオン キョロちゃんランド キラートマト きんぎょ注意報! わぴこのわくわくスタンプラリー! きんぎょ注意報!2 ぎょぴちゃんをさがせ! キン肉マン ザ・ドリームマッチ クイズ世界はSHOW by ショーバイ!! クイズ日本昔話 アテナのハテナ? クイックス クイックスアドベンチャー クォース クマのプー太郎 宝さがしだ大入りゲームバトル! クラックス グランダー武蔵RV グランディア パラレルトリッパーズ グランデュエル 〜深きダンジョンの秘宝〜 クリスティーワールド グリンチ ぐるぐるガラクターズ ぐるぐるタウン はなまるくん グレムリン2 THE NEW BATCH クレヨンしんちゃん オラとシロはお友達だよ クレヨンしんちゃん オラのごきげんコレクション クレヨンしんちゃん2 オラとわんぱくごっこだゾ クレヨンしんちゃん3 オラのごきげんアスレチック クレヨンしんちゃん4 オラのいたずら大変身 クロスハンター エックス・ハンター・バージョン クロスハンター トレジャー・ハンター・バージョン クロスハンター モンスター・ハンター・バージョン グローカルヘキサイト ゲゲゲの鬼太郎 妖怪創造主現る! ゲームコンビニ21 ゲームで発見!!たまごっち ゲームで発見!!たまごっち オスっちとメスっち ゲームで発見!!たまごっち2 ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ… ゲームボーイウォーズ ゲームボーイウォーズ2 ゲームボーイウォーズ3 ゲームボーイウォーズターボ ゲームボーイギャラリー ゲームボーイギャラリー2 ゲームボーイギャラリー3 ゲームボーイモノポリー ゴジラくん 怪獣大行進 コスモタンク ゴッドメディスン ファンタジー世界の誕生 ゴッドメディスン 復刻版 コトバトル 天外の守人 コナミGBコレクションVol.1 コナミGBコレクションVol.2 コナミGBコレクションVol.3 コナミGBコレクションVol.4 コナミックゴルフ コナミックスアイスホッケー コナミックスポーツ イン バルセロナ コナミックバスケット コマンドマスター コラムスGB 手塚治虫キャラクターズ ゴルフ ゴルフ DE おはスタ ゴルフだいすき! ゴルフ王 コレクションポケット コロコロカービィ ころダイス コントラ ゴン太のおきらく大冒険 ゴーゴー アックマン ゴーストバスターズ2
https://w.atwiki.jp/tamakagura_battle/pages/95.html
Dメディスン タイプ:毒/虫 スキル1.毒を操る程度の能力:ターン終了時、相手を毒にします。 スキル2.体に優しくない人形:相手の消費VPを20%増加させます。 重複弱点(3倍):なし 弱点(2倍):風岩理炎 抵抗(1/2倍):毒虫 重複抵抗(1/3倍):闘樹 無効:なし 種族値・同タイプ比較 毒/虫 HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 Dメディスン 120 30 100 100 110 70 530 Hヤマメ 105 50 85 100 120 70 530 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 スウィートポイズン 毒 特殊 60 100 0 30%の確率で、相手を混乱させます。 神経の毒 毒 変化 - 200 10 相手を麻痺させます。 ポイズンブレス 風 特殊 90 100 20 30%の確率で、相手の命中を1段階下げます。 イントゥデリリウム 毒 特殊 100 100 25 30%の確率で、相手を混乱させます。 ポイズンビー 虫 特殊 80 100 5 20%の確率で、相手を麻痺させます。 憂鬱の毒 毒 変化 - 100 30 相手を眠らせます。 メイリリーインフェクション 樹 特殊 100 100 20 与えたダメージの1/8、相手のVPを減少させます。 アナフィラキシーショック 虫 特殊 100 100 15 相手が毒または猛毒状態の場合、ダメージが2倍になります。 考察 基本評価 Tメディスンから、より防御面を補強したステータス配分になっている。 そしてメディスン系統で唯一、禁呪スペルが違うものになっている。 相手が毒状態の場合、2倍のダメージを当てるという特殊な性能を持つスペル。虫一致の100/100/15と、普通のスペルとしても性能が良い。 このため、Dタイプだが攻撃に特化していると言えるかもしれない。 ただ、禁呪スペルを主軸とするには、相手が毒状態であることが必要である。そのため、 状態異常に対して何らかの耐性を持つコダマ(シンクロ/状態異常回復、無効化スペル、障壁など) 毒状態にならない毒タイプ、毒スペルさえも無効化する鋼タイプ スキルを封印するコダマ 相手には最大限に実力を発揮することが難しいので、注意が必要だろう。 メディ自身を耐久コダマとしてのみ運用するのならば、他のタイプの方が良いかもしれない。 運用方法 やはり状態異常が主軸になる。 弱点を突かれる危険性がある場合など、安全性を重視して睡眠 耐久できると踏み切れるなら麻痺でも良いかもしれない。 相手を眠らせることができた場合は 1:更に麻痺を付与する(変化スペル)消費VP 15 2:ポイズンビーを使う(20%麻痺)消費VP:5 3:スウィートポイズンを使う(30%混乱)消費VP:0 をメインとして、相手が毒状態になるのを待とう。その間に更に別の状態異常がつけば僥倖である。 毒をつけることさえできれば、後は禁呪スペルを使うだけ。虫に抵抗が無いコダマ相手なら、ほぼ瀕死に追い込むことができる。 神子カードや妹紅カードも、毒状態によって無効化することができる。(妹紅カードは要検証) 次に述べる、苦手とするコダマが見えなければ、先発に置いても問題ないだろう。 もちろんメディスン自身で毒をつける必要も無いので、スキルでカウンター毒、さらにスペルで毒をもつヤマメとは虫同士非常に相性が良い。 弱点 鋼 全員状態異常回復率上昇スキル(穣子・永琳・リリーW) 状態異常無効(幽々子系) 状態異常回復スキル(アリス系など) 状態異常回復率上昇カード(25%無効化はまだ戦えなくもない) 状態異常障壁スペルを持つコダマ 毒 スペル封印(S鈴仙など) スキル封印(Sレミリアなど) 非常に強力だが危険因子も増えるので、より丁寧な扱いが必要になる。 状態異常を主軸にするため他のメディスンと基本は同じだが、他のメディスンと違って自分の状態異常を治す事が出来ないので、シンクロには注意したい。 禁呪を活かすための毒状態にならない毒タイプや、スキルを封印するコダマ、スペルを封印することができるコダマにも警戒する必要がある。 しかし、Dで辛い相手でも、メディスンとしてなら充分な立ち回りをこなすことが可能なので、上手に他のコダマに回して受けたい。 比較 Dタイプは変化スペルの混乱こそなくしたものの、スウィートポイズンで混乱を付与する機会はある。 T Dより速い(Sに20の差があるため、Dはより先手を取りづらいと言えよう) 抵抗・無効化属性が優秀 メディスン系統でHPとVPに継続ダメージを与えるスペルがある H 一致地面ワザを持ち鋼タイプに一矢報いる事が可能 状態異常を回復できる N 属性範囲が他よりも広い メディスン系統でHPとVPに継続ダメージを与えるスペルがある どのタイプを取っても何らかの魅力がある。メディスン自身、多くのパーティーに合わせることも可能である。 BP振り 攻撃特化:SとCに64ずつ 防御特化:Hに64、BとDに32(またはBとDに64ずつ) 万能型:Sに64、H、B、Dにバランス良く(または各32) 禁呪スペルはCが0でも充分すぎるダメージを与えるため、私的には万能型をオススメする。 装備候補 速度上昇系(他のメディスンと同様の運用も考えるなら、速度を補強しなければ辛いだろう) HP/VP回復系統(居座ることも可能だが、VPの消費が激しい。睡眠がかかっている最中に微量でも確実な回復を狙える) リグルカード(禁呪スペルのダメージ底上げに。) 永淋カード(特別状態異常に弱い子なので、相手の構成次第では充分な効果も発揮できる)
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/978.html
メディスン1 1スレ目 184 「それでねそれでね、人形の開放の次は世界征服してみようと思うの。 今年のスーさんの勢いならきっと夢じゃないわ」 一面の鈴蘭の中心で、彼女は瞳を大きく見開いて、楽しそうに笑っていた。 偶然この花畑に迷い込んでからもう数時間、僕は彼女の夢の語を聞いている。 「そうだね、ここの鈴蘭は本当に綺麗だよ」 「でしょー、そうでしょー、べラドンナも彼岸花もよかったけど、 やっぱりスーさんの毒が一番よね」 僕が話を真剣に聞いてあげると彼女はさらに嬉しそうに言葉を続けた。 初めて見たときの印象とは違って、意外にも人懐っこくて話好きの彼女。 この花畑からあまり出たことがないという彼女の話は、 幼い少女の夢のようにふわふわして、ちょっぴりスリルがあって、 そして純粋だった。 絶対に叶うと信じてるその大きな瞳を僕はずっと見つめていたくなる。 なんだかすごく、優しくなれる。 「それでね、スーさんの毒は心の毒なの。そういえば、仲間を見つけるには 人の心が解らないといけないって言われたわ。でも、どうしたらいいのかな? どうやったら人の心をつかめると思う?」 どうやら僕は鈴蘭の毒に心をやられてしまったらしい。 「メディスン、君は今僕と話していて楽しい?」 「うーん、そうね、こんなにスーさん以外とお話したの初めてなんだけど、 結構楽しいかもしれないわ。それに、スーさんとのお話とも少し違う感じ、 どうしてかはわからないんだけど・・・ね!」 頬に指を当てて少し思案してから彼女はまた僕に笑顔を向けてくれた。 いとおしい、自然と心が素直になれた。 「そうやって、まず自分が楽しいって気持ちを相手に伝えられたら、 きっと相手も君に心を開いてくれるよ。メディスンならきっと大丈夫」 「本当? そんなことでいいの? ・・・えっと、それじゃあなたも・・・ あなたも私に心を開いてくれる?」 ほんの少しだけ自信がなさそうに、彼女は下から僕を見上げた。 僕は彼女の頬にそっと手を当てた。 「もちろん、それどころかどうやら僕は・・・メディスン、君のことが好きに なってしまったみたいだ」 「え、え、好きって、それって、スーさんとどっちが・・・とかそういう」 戸惑う彼女の表情にそっと顔を近づけると、頬に優しくキスをした。 ほんの少し唇がしびれた。 「僕は君の夢をかなえてあげたい、君のために力になりたい、そして君に 恋する心を教えてあげたい、僕じゃ力になれないかな?」 彼女は自分の胸に手を当ててうつむいてしまった。 風が鈴蘭畑を揺らし、ゆっくりと時間が過ぎてゆく。 僕は静かに、優しく彼女を見守った。 やがて、少しだけ顔を上げる 前髪の隙間から瞳を覗かせ、小さな声で、けれどはっきりと 「・・・はい・・・教えてください」 思わず僕は彼女を抱きしめた。 少し強い風が吹いて、鈴蘭の花と小さな人形がいっせいに向こうを向いた。 もしかして気を利かせてくれたんだろうか? なーんて、 あぁもうメディスン可愛いよメディスンメディスン ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 363 「それで、スーさんがね…」 何日目になるだろう―― 彼女と初めて出会ったのは 花々が咲き乱れた時だった。 彼女は月光に照らされながら鈴蘭畑けの中から 俺を見つけた。 妖しく、そして美しい笑顔だった。 俺はその瞬間、彼女に心を奪われていた。 それから数日、今もこうして彼女と話しをしている。 休む間もなく、いや、休む事も忘れて 俺は彼女と話しをしている。 「――それで、今年はスーさんがね、あれ?どうしたの?」 彼女が俺の異変に気づいた。 数日の間、俺は鈴蘭の畑にいた。 ――普段の彼女ならすぐに注意するだろう。 ――普段の俺なら鈴蘭畑けには近づかないだろう。 「あ…鈴蘭の…毒…」 どうやら原因に気づいたようだ。 彼女の顔が急に曇る。 だが、今更どうする事もできなかった。 俺は彼女の言葉を聞かなかったフリをし、 「気にしないでいいよ。 この所寝てなかったから 少し疲れただけだから。」 彼女が困った顔をする。 俺は、 「ずっと…言いたい事があったんだ。 最初にあった時…笑ってくれたよね。 君の笑顔が…月光に照らされた君の笑顔が… とても…綺麗で…その瞬間…好きになってしまったんだ。」 「え…?あ…え?」 彼女が困惑していた。 何を言っているのか 誰の事を言っているのか 俺はその問に答えるように 「メディスン…君の事が好きだ。愛している」 「!」 彼女は一瞬驚いたように、 そして、悲しい顔をして 「でも、私は人形よ…あなたがこんな状態なのに 泣く事もできず、あなたを傷つけていた事も分からない ただの意思を持った人形なのよ!」 彼女は寂しげに、そして悲しげに言った。 だけど 「確かに君は人形で…俺は人間だ… だけど…俺はメディスン… 君という[存在]を愛しているんだ。」 彼女はもう言葉にならなかった。 「そろそろ…眠くなってきたな。 少し眠らせてくれるかい?」 彼女はどうしようもない顔をして顔を横に振る だが、俺は続けた 「寝る前…お願いがあるんだ… 君の笑顔を…見せてくれないか? 君の最高の笑顔を…」 横になろうとする俺を彼女が抱えた。 ――彼女の腕の中 ――俺は朦朧とした意識の中 ――彼女の必死に作った笑顔を見た ――それが、俺の最後の記憶だった 「ねぇ、スーさん…」 動かなくなった俺を抱いてメディスンは 「私、好きだったの。初めて見た瞬間から… ねぇ、スーさん…」 瞳から月光に照らされて光る液体をこぼしながら 「これが…涙なのかな…これが…つらいって事なのかな… ねぇ、スーさん…」 メディスンは何度も何度も、 鈴蘭に自分が始めて体験した想いをぶつけた。 もう、動く事はない俺を抱いて、 月が妖しく照らす、鈴蘭畑の中で―― 初SSヽ(`Д´)ノ とりあえず「俺」を殺したかった。 思いは届けたけど悲しい結末ってのを作りたかった。 最初幽々様にしようかと思ったけど、 死んでも霊になって結局あんま悲しくナイシナー さらに人気あるからナー とか思いながら 184で 鈴蘭あったなぁと思い出し、 あ~…そういやルシオとかいたなぁ(てかこのネタ作る寸前VPしてた⊂´⌒つ。Д。)つ) って事で書いてみました。 あ、ちなみにメディスン好きですよメディスン 後日談が思い浮かんだけど、どうだろうなと。 この世界、死んでも冥界やら閻魔様やらいるからなかなか感傷に浸れないのが問題。 キーワード:鈴蘭、月光、死 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 383-385 363の続きみたいなもん ――走っていた ――鈴蘭畑を出て ――自分の事を好だと言ってくれた人を想いながら ――以前出合った人々(?)を頼りに 「私、まだ何も答えを出してない!」 初めは、閻魔の所にいった。 「なんだ。私の裁きを受ける気になったのか? 死んでも私の所にはこれないから 今のうちに――」 「お願い!」 そんな話しを聞く気は毛頭なかった。 「あの人を…あの人を生き返らせて!」 山田は、何の事か訳がわからないといった感じで 「とりあえず順を追って話してみなさい」 私は、覚えている事を全て話した。 ――何を話したのか憶えていない。 ――それは私の記憶の中で 「死んでいる人間を生き返らせるのは無理です。」 一言で返された。 「死んでいる人間に会う事も許されない、 現世と幽世の堺がなくなってしまうから。 彼は今頃、地獄での業を終え、 幽世に旅立っている頃でしょう。 だからあなたも彼の死後の幸福を――」 話しが終わるか終わらないかの所で私は飛び出していた。 「あんな人に頼ったのが間違いだったわ!」 脳裏に浮かぶのは鈴蘭畑に入ってきた兎達の事だった。 彼女達の上司(?)にあたる人が以前 薬について色々知っていたのを話した憶えがある。 「う~ん…死なない薬はない事もないけど 死んだ人を生き返らせる薬は…」 難しそうな、申し訳なさそうな顔で永琳が言う。 ――竹林を飛び回り、兎達が群れている所を見つけた。 そして、てゐを通じて永琳を呼び出した。 だが、彼女の口からは私の求めていた言葉は出なかった 私はその場を飛び出し、竹林を走った。 出口もわからずに―― 「待っていたぞ!」 急に呼び止められ、立ち止まる。 「満月の夜にくるとはいい度胸だ!」 そういえば今日は満月 「ちょっ、何を言ってるの?!」 だが返答むなしく 「あの人間には指一本触れせない!」 ――――戦闘が終わった 「くっ…」 彼女は傷ついた体をかばいながらも この先へ行かしてくれようとはしない。 「その人間が誰の事かは分からないけど あなたにも大事な人がいるのね…」 慧音はその言葉を聞き、少し考えて 不思議そうにたずねてきた。 「お前はキモ試しに来たのではないのか? 竹林の館から出てきた様だが…」 どうやら彼女は竹林の館から出てきた人は 皆その人間(彼女が守っているであろう)を狙う と勘違いしているのだろうか。 「私は、私の大事な人を生き返らせる方法を探しに来たの。」 そして慧音は改めて自分が間違っていると言う事を知り、 「そうだったのか。勘違いしてすまなかった。 だが、死者を蘇らせる反魂の法は禁忌だ。 私の力を使いその物の[死]を無かった事にしても 蘇りはしないだろう。」 謝り、話しを聞いた慧音でもどうする事もできなかった。 [死]…それは現世と幽世を隔てる絶対的なキーワード メディスンも[人間]ならば、 死ねば彼のいる幽世にいけるだろう。 [人間]ならば… 意思の持っている[人形]のメディスンは 幽世にいけるか分からない いや、山田が「私の所にはこない」と 言っていたので無理なのだろう。 慧音自身もそれが分かっているからこそ困っていた。 「そう、だ」 ふと、思い立ったように言う 「以前、幽霊と半幽霊が私の所に来た事があった。」 耳を疑った。 なぜ、幽世の者が現世にこれるのか―― それはどうでもよかった。 ただ、幽世の者が現世にこれると言う事は その逆も可能―― メディスンは慧音にその者とのコンタクトを取れる方法を尋ねた だが、慧音自身彼女らとのコンタクトの方法が分からなかった。 すぐさま永遠亭に引き返し、永琳達にも居場所を聞いてみたが 彼女達も襲われた側であり、こちらから出向いてはいないのだ。 結局有力な情報は得られなかった。 ――幻想郷を走り回った ――鳥…歌っていた ――⑨…バカ ――紅白…神社を紹介された ――メイド…見つけたと思ったら消えていた 仕方なく神社に来てみたが、そこでは宴会が繰り広げられていた 真ん中では鬼が何やらやっていたが、盛り上がる気はさらさらなかった。 紅白を見つけた 「なんでこんな所に呼んだのよ!」 いきなりたきつけた。 「あら。幽霊が見たいんじゃなかったっけ?」 霊夢が指を指した方角を見る。 するとそこには、幽霊がいた。 慧音が見れば分かると言っていたが本当だった。 人魂が浮いている 彼女達だ―― 「私を幽世に連れてって!」 いきなりの言葉に幽々子は 「いきなりねぇ。それに、 幽世にいきたいだなんて、 物好きねぇ」 あまり本気にしてもらえなかったのだろうか。 メディスンは経緯を説明し、再び幽々子にお願いをした。 「う~ん…幽世につれていくねぇ…」 少し困った表情で考えていた。 「あら、いいじゃないの。それぐらい」 そこにいきなり境目ができて、中から声がした。。 境目から妖怪が出てきて、メディスンに言う 「なんなら、私が送ってあげるわよ?」 紫の問いかけに 「本当?!じゃぁ…」 言い切らないうちに紫が 「ただし」 急に真剣な表情で 「幽世に行き、そこで幽世の者と接触した場合 決してこの世には戻せないわ。幽世の者との、 まして死んだ者との接触」 紫の話しに、 続けて幽々子が言う、 「私達みたいなのはいいんだけどねぇ… その[人]、普通の人でしょ? タブーを破った場合、魂が持たないわ。」 何を言っているのか分からないメディスンに、 幽々子がゆっくり説明する。 こちら側とあちら側との接触は本来あってはならない事 それを無視すると言う事は、世界のバランスを崩す事 幽々子ほどの力の持ち主ならば、その崩れたバランスから起こる 「歪み」に耐えれるが、 並の、ましてや只の[人]の霊では耐え切れないと言うのだ。 ――メディスンは黙る [あの人]に会いたい。 会って、あの事についての答えを出したい。 だが、人形独立の夢もあった。 ――周りでは宴会が繰り広げられている中、 その空間だけが、重い空気に包まれているようであった。 紫が口を開く。 「選びなさい。あなたの意思を。あなたの心を。」 そういって、境目を作る。 「ここを抜ければ幽世よ。 大サービスであなたの思っている人の所へ繋げてあげたわ。 行けば帰って来れない片道切符。行くかどうかは貴方次第よ。」 しばらくうつむいていたメディスンが、 決心がついた表情で、上を向く。 そして―― ――幽世 俺は死んでしまった。 後悔はない。 むしろ、想い人に自分の想いを伝えて死ねた。 それだけで満足していた。 そう思えば地獄の業も苦しくは無かった。 後は、転生を迎えるまでここで、 暮らしていくようだ。 桜の花も散り始め、毎日の日課である掃き掃除をしていた。 「あれからもう1年になるのか。」 俺が「死んで」から、もう一年たった。 想いを伝えた彼女は、今頃どうしているのだろうか。 人形独立は果たせたのか。 などと、彼女の事を考え、 最後に見せた笑顔を思い出し、懐かしむ。 「転生まで、後どんぐらいなのかな」 ポツリと言う。 転生してしまえば彼女の事も全て忘れてしまう。 「転生…か。嫌なもんだ。忘れるなんて、できないよな…」 涙がでそうになる。 ――数日間だけだが、話し、笑った彼女との思い出 「忘れるもんか…!」 そう、言葉が口から勝手に出た。 「じゃあ、転生しなければいいんじゃない?」 びくっとし、後ろを振り返ると 妙な境目ができていた。 「なんだこれ」 そっと近寄ると、 中からまったく知らない人が出てきた。 「あんた…誰?」 紫はムスッとした表情で、 「あんたとは失礼ねぇ。ほら。お届け物よ。」 妙な境目から何かが出てきた。 「な…」 ――俺の記憶の中にある、彼女 ――そんなはずはない…彼女は人形 ――決して幽世にはこれるはずがない… 「ほら。念願の夢が叶ったんだから、何かいいなさいよぉ」 彼女はうつむいたまま動かない。 「…」 言葉にならないとはこういう事を言うのだろうか。 俺は必死に涙をこらえながら彼女の近くに寄った。 その時、記憶の中にある[彼女]とそっくりな人形がぴくっと動いた。 うつむいていた顔を起こし、 そして、あの時の笑顔で、 「やっと会えた! あの時の答え、言いに来たよ 私ね…」 いい終わらないうちに、俺は彼女を抱きしめていた。 [なぜ][どうして]そんな事は関係なかった。 彼女は今俺の手の中にいる。 それが全てだった―――― 「行ったわね。」 宴会場で幽々子が言う。 「そうね。」 霊夢も落ち着いた感じで答えた。 「さて。そろそろ私達も帰るわね。 妖夢~そろそろ帰るわよ~ 明日から新しい庭師が増えるから 色々教えてあげるのよ~」 妖夢が聞いてないといった表情で 「幽々子様なんですかそれ~ 聞いてませんよ~」 妖夢が半べそかきながら帰っていく。 霊夢はふと思い立ったかのように 「今度、アリスにこの事話してみようかしら」 などと、アリスの反応を考えていた。 ――ここは幻想郷 ――現世と幽世と月と隙間とそれらが交差する世界 はい!終わり! え~後日談ていうかなんていうか。 これなかったほうがよかったかも⊂´⌒つ。Д。)つ ただ、前回あんま反応なかったからちょっとさびしかったり(´・ω・`) かなり変な設定いれまくってますが気にしないでください。 本当はいろんな人(妖怪)との話しをいれたかったけど… 紅魔もいれたかったけど長くなるし挫折_no その後のその後とかいらん気がしないでもない。 意味わからんし(゜∀。) あと花でおもっくそリリカと対戦してるの忘れててここ無視って下さい_no 最後はHAPPY(?)ENDで決めれたのが自分的にはよかったんじゃないかと。 何分始めてなんで無理やったりして自分的には楽しかったけど、 ぶっちゃけごめんなさい_no ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 454 454 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/19(月) 08 37 00 [ dIitvRwg ] 447 慧音とうどんと山田にヤラレタ あとスイカは最近、もう何しゃべっても致命打スレスレの俺がいる いきなり全員達成するとはすげーよGJ と思ったが、 俺の愛してるメディがいねぇorz チキショゥ 俺「嫁に来い」 メディ「ヨメって何?」 俺「とりあえずおいでよ」 メディ「う、うんじゃぁいってみる」 俺「実家が花屋です」 メディ「お嫁に参ります」 俺「今度中南米行くんだけど、ラフレシアって知ってる?」 メディ「つれてって!」 俺「化学者なんだ、君のためにありとあらゆる毒を合成してあげる」 メディ「うれしい! それじゃ…最初はまず、あなたの心の毒でしびれさせてもらおうかな?」 俺「君ひとり~? 友達ほしくない? 俺たちのサークルに入れば友達百人できちゃうよ?」 メディ「ほ、ほんと?じゃぁいく!」 俺「つりが趣味の社長です」 メディ「スーさん!」 俺「僕ちゃん顔がのびるんだょ~ん」 メディ「造物主さま!」 俺「コンパロ!」 メディ「コンパロ!」 俺「むらんげ!」 メディ「めろんげ!」 俺「こんなに暴走するくらい、お前のこと愛してる」 メディ「えええっと…はい…(上目遣いでテレながら」 ふぅ、勢いだけで暴走してもいまいちか…少し頭冷やしてくる。 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/gtaisen/pages/100.html
キャラ名 HP 攻撃 防御 知力 射程 速度 特技 パワーゲージ スペルカード メディスン 400 30 50 30 3 2 治癒 4 譫妄「イントゥデリリウム」 スペル効果 スペル詳細 編集Ver:2.0.1 考察